若葉

部活の休憩中にフェンス
の向こう側の芝に座って
いるアイツを見かけたの
で、防具をつけたまま水
分を片手に近づく


「あ、隆也。おつかれー」
「おう」
「帰んねえの?」
「隆也と帰る」


試合近いから帰んの
遅くなんぞと言って
もこいつはいいのー
なんて笑った。まあ
、待っててくれんの
は嬉しいけど。


「隆也頑張ってるね」
「試合、近いしな」
「うん、知ってる。」
「悪いな。」
「なにが?」


とぼけるこいつに
部活ばっかでお前と
ちゃんとデートもできて
なくてなんて言えなかった
頑張れなんて応援してくれ
てんだから勝たなくちゃな


「なんでもねえよ」


肩に少し重みを感じた
気づいたらこいつが俺に
寄り掛かっていた


「野球してる隆也が好きだよ」
「な、んだよ急に」
「だから、デートとかできな
くて悪いとか思わないでよね」


胸がどきっとした
急に好きとか言ったのと
心を読まれていることに

顔が熱くなるのを感じ、
上を見ると木々の若葉が
たくさんあり、風で揺れ
ていた。



若葉


(俺達はまだまだ)
(これから)

20110506.










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