好きな人は友達の幼馴染




1組と7組の合同の体育の授業
栄口と一緒なのは嬉しいけど、やっぱ・・・
ちらりと栄口の方を見るといつものように
栄口の幼馴染が駆け寄る


「はあ。」
「んだよ、見てねーでお前も参加してこい」


いつものように阿部が後ろで
イライラしながらホント、クソレだとか
なんとか言ってくる
そんな勇気あったら行ってるっつーの
二人を横目にサッカーの試合に出た


「花井、パス!」
「おう!阿部」


花井が阿部に上手くまわした
これでゴール前の俺が入れれば
逆転だ!
ふと視界に入る栄口とあの子
楽しそうに笑ってる二人を
みて無性に腹立った


「クソレ!」
「お、おう!」


阿部からパスが来たのに
二人から視線が外せなかった
ボールを蹴った瞬間、血の気が引いた


「危ない!」


叫んだ言葉もむなしく
俺の蹴ったボールがあの子の顔面に
直撃したすぐさま駆け寄ると
大丈夫だよと笑う彼女に対して
栄口が保健室に連れてくよと言ったけど
それを無視して彼女の手を引いた


「大丈夫?・・・ごめん、おれ」
「みずたにーなんて顔してるの」
「俺かっこわりい」


保健室に入って向い合せに座る
彼女がそっと息を吐いて
俺を見つめる



「なんで?」
「実は栄口に嫉妬してサッカー集中でき
てなくてミスってボールあてたとか」


目の前でポカンとしてる彼女を見て
やけくそになった
ああ、もうここまで言って分からないのか


「みずたに?」
「好きなんだ」


栄口の幼馴染だって知って
同じクラスでしかも隣の席で
話てみたら結構、趣味が合って
ふんわり笑う顔が可愛くて
気づいたら好きになってた



好きな人は友達の幼馴染


(彼女の顔が真っ赤になって)
(ふんわりと笑った)

20101222.




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