「そういや今日、米の誕生日だよな」 それは泉が言った 言葉からはじまった 「え?米って?」 「ああ!ゲンミツに水谷のことだーー!」 そう言って田島は教室を ドタドタと出て行った 「あ、水谷が誕生日なんだ!」 「おー」 「どうしよ、何も用意してない」 私が焦って何かあげるものは ないかとカバンをあさってい ると泉が米でもあげとけと笑った 「米って・・・なんで米?」 「あいつのカンチガイでまあ、米になったんだよ」 とか言われたけど、絶対 泉は説明が面倒だったんだよね 全然分からないし 「あ、米に似てる駄菓子ならあった!」 カバンの中にあった 唯一のお菓子 私はさっそくそれを持って 水谷のいるクラスへと向かった 「えっと七組っと」 七組に着くと既に 田島がぎゃーぎゃー騒いでいて すぐに水谷がいるのが分かった 「あー珍しいねー七組にくるの」 私がいつまでも教室の前 に突っ立っていたら 水谷が気がついて私の前 まできた 「あ、うん」 「で、どうしたのー?」 「水谷が誕生日って聞いたから」 誕生日って言葉を言った瞬間に 水谷がぱっと笑顔になった 「なになに!祝ってくれるの」 「まあ。おめでとう米谷」 手に持っていた例の お菓子を水谷にあげた 「わー!ありがとう」 「こんなのしか持ってなくてごめんね」 「気持ちだけで嬉しい。 てか今さ米谷って言わなかった?」 「え、そうだっけ?」 私と水谷のそんなやり取りを見ていた 阿部、花井、泉、田島が笑いを 堪えていたのを後から知った 米の日 (それにしても水谷って) (お米好きなんだね) 20110104. |