太陽の西日が射し込む
ガヤガヤうるさかった教室や廊下も
今は誰もいなくて静まりかえってる中
あたしはバタバタと廊下を走って
教室へ向かう


「ごめん!私が待っててって言ったのに」


教室のドアを勢い良く開けて中を確認せず
にいるかも分からない彼に深く謝った


「んな、待ってねーよ」


その声が聞こえたのは教室からでなく
間違いなく私の後ろからだった


「あ、いずみん!」
「俺も今来たとこ、わりーな」


教室に向けていた体を
いずみんに向き直る


「大丈夫だよ」
「で、話ってなに?」


あたしが呼び出しといて
いずみんに話が切り出せない

後ろにはライブのチケット
二枚隠し持っている


「あ、あのね!いずみんが前ね、好きな
グループの話してた時あったじゃん
それでね私も実は好きで」
「まじで!」


前置き長くなったし
言葉おかしくないかな
とか考えてるといずみんの顔が
明らか嬉しそうな顔をするから
私も嬉しくなった


「でね、チケットが当たりまして」
「すっげーじゃんいいなー!」
「良かったら一緒に行かないかなーなんて」


一瞬間があく
頑張って言ったのに
返事すらくれないのかな
それなら、誘わなきゃよかったと
目をぎゅっとつぶる
今にも泣きたくなってる私に
いずみんは夕日のせいなのか
そうじゃないのか少しだけ
顔が赤くなっているように見えた


「・・・じゃあ一緒に行ってやってもいーぜ」
「ありがとう!」


その日はお互いに無言で帰った

ライブ当日は楽しすぎて
あまり覚えていない

これはあたし達が付き合う
ちょっと前のお話



ハジケるように


(なあ、またライブ行こーな)
(うん!)

20091012.
加筆110331.



「#甘甘」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -