大切なただの幼なじみ



「ゆーいちろー!入学式遅
れちゃうよー」
「まじか俺のチャリ乗れ!」
「うん」
「学校までぶっとばーすっ」


しっかり捕まってろよー!
とニシシと無邪気に笑いな
がら言うのは小さい頃から
ずっと一緒の田島悠一郎。
つまり幼なじみで、家はお
向かいさん。

そして私たちは、今日西浦
高校に入学する。また悠一
郎と一緒にいられるんだと
胸躍らせながら、悠一郎に
抱き着く力を強めた。


入学式が終わるとクラス
が発表された。私は・・
・9組か。


「なあ、お前何組だった?」
「9組!」
「まじで!?俺も!」


嬉しそうに笑う悠一郎に
私もつられて笑ってると
悠一郎からよろしくなと
手を差し出された。


「うん、またよろしく!」
「おう!」


悠一郎と高校生活わくわく
するねなんて話しをしてい
たら9組の担任らしき先生
に教室まで案内され、入学
して初めてのホームルーム
が始まる。


「明日は、健康診断だからなー体育着忘れんなよー」


先生が明日のことを話して
いるのが聞こえる。特に初
日はすることもなく所連絡
で終わった。席替えもなく
自由席で良かったと安心し
て右隣にい る悠一郎を見
るともう帰る準備をしてい
た。


「そういえば、悠一郎部活
はやっぱり野球部?」
「おう!これから見学行こ
うと思ってんだ!」
「へーお前も野球部行くんだ?」

私も悠一郎が行くなら野球
部見に行こうかなと言おう
としたら私の前に座ってい
た可愛い顔した男の子が悠
一郎に話しかけた。


「もしかしてお前も!?」
「まあな。どんなもんかをね」
「おっしゃ、じゃあ一緒に行こうぜ!」
「いいぜ。あ、俺は泉孝介」
「田島悠一郎だよろしくな」
「おー」


目の前でどんどん進んでいく
二人の会話に入れずにいると
泉とかいう男の子と目が合う


「田島、隣にいるのは?」
「ああ、俺の幼なじみっ」
「ふーん」


泉くんは私をじっと見て
何も言わないのが少し怖
くて私から話しかけた。


「あの、よろしく泉くん?」
「泉でいいよ、よろしく。」


泉は悠一郎と私を見比べる
と田島に近づきニンマリと
笑って何かを耳打ちしてい
た。


「俺らもう野球部見学行く
けどおまえどーする?」
「私、行かない。」
「なんだー。じゃ、行こー
ぜー泉」
「おー。じゃあな」
「悠一郎も泉もじゃあねっ」

泉が耳打ちした後の悠一郎
は何だか嬉しそうに見えた
目の前で私だけ取り残され
ているみたいでちょっとイ
ラっとする。
本当は、私だって悠一郎と
野球部見学行きたかったけ
どこっそり見に行くことに
した。



大切なただの幼なじみ


(幼なじみって関係いいよな)
(だよなー!)

20110711.

title:確かに恋だった




≪ |

[しおりを挟む]
[Back]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -