小学生から今までずっと、 一緒な奴がいる。幼なじみ なわけで、前はいつも元気 で俺に笑いかけていた。い つ頃からだろう気づいた時 にはもうアイツは笑わなく なったんだ。
「田島、先生が早く宿題出せってよ」 「おわ、やっべー!」 「まったく、ちゃんと出しなよー」 「へへ、分かってるって」
俺がお礼を言うと、すぐに ふいっと顔を背けてしまう 笑わなくなってからずっと こんな感じだ。なんとかし て前みたいに笑ってほしい 。一瞬でもいいんだ。笑っ てくれたらそれだけで
「なあなあ」 「なにー」 「こっち向いて!」 「!」
近づいてコイツが振り向い たら意外と顔が近くてすげ え、どきどきした。俺が変 顔した反応を見ると、顔コ イツは頑張って堪えてたけ ど顔を真っ赤にして笑いだ した。
「っはあ、もうダメーあはは!」 「やっと笑ったな」
そう言うと咄嗟に頬を抑える コイツの手を掴んだ
「や、めてよ田島っ」 「やーだねー」
下を向いて固まってし まったコイツの目を見 ようとしゃがみ覗き込 むとコイツは顔を真っ 赤にしていた。
「なに、ニヤニヤしてんのよ」 「べーつにー!」
いい加減、手離してよねと 言うコイツに俺は更に力を 込めた。ひとつ分かった事 がある。そっとコイツを引 き寄せ顔を近づけてくちづ けをした。
くちづけ
(反応は思った通りだ!) (俺はお前が好きだぜ)
20110616.
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