おお振り(短編) | ナノ









今年の夏初めてできた彼女。
とても恥ずかしがり屋だけど、
ふんわりとよく笑うかわいい子。

付き合って3か月が経った。
季節は寒い冬に移り変わって
恋人たちの時期になった。

一番のイベントはやっぱり
クリスマスだよなあ・・・

携帯についているおそろいの
ストラップを指に絡めては、
隣で安心して寝ている彼女を
見てため息をつく。


「・・・」
「俺だって、男なんだからな。」
「・・・・・・」
「そんな、安心して・・無防備すぎるだろ」


柔らかい彼女の頬に触れ、
唇まであと数センチ。触れるか
触れないかの距離で自分を抑えた。


「・・・っはあ。」


一番初めに嫌われたくないって
いう感情が邪魔をする。


「浜ちゃん」
「あ、起きた?」
「ごめんね、寝ちゃって。」


起きたてでへにゃりと笑う
彼女の頬をふにふにする。


「〜〜〜っ」
「はまひゃん、いはい」
「!」


なんで、こんな可愛いんだ
くそ〜〜っ。
自分の頭をぐしゃぐしゃにして
額を抑え、片目だけ彼女を見ると
眉を垂らして、心配そうに俺を
見つめていた。



キスしたい。


(クリスマスまで我慢・・・)

20121203.
浜ちゃん焦らされてればいい。







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