頂き物 | ナノ


言いたい事は全て副長に話した。


ほぼ一方的で、最終的に返事は まだ貰えてないけど…





副長は目を見開いていた。



そら そうでしょうね。
遠回しに告白してるんだもの。





『ライカ…。
今日1日だなんて…寂しい事言うんじゃねーよ…』





急に抱き寄せられて、私は副長の胸に すっぽり収まった。





『お前が何と言おうと、絶対今日は連れて行かねぇ…

誕生日に あの世になんて逝かれたら…とんでもねェからよ。


それに…』





私の頬に手の平をあてて…
副長は私に口づけした。


そして、真剣な目付きで こう言った。





『明日から毎日…お前の側にいてやる。』





髪を優しく撫でて、私を見つめる。





『…だったら副長。
私を祝ってくれませんか?

そうしてくれたら私、今日は大人しく副長の帰りを待ってますから。』





言うと、副長は眉をひそめてから、一旦咳払いをした。



『あの…その…誕生日、おめでとうな。

プ、プレゼントとかは用意出来なかったけど…
ちゃんと 近いうちに お前の欲しいモン買ってやるからさ…』


『プレゼントなんて…、これ以上要りませんよ。
副長…もう既に素晴らしいプレゼントをくれたじゃないですか!!

私には副長だけで充分です!』





そう言うと、副長は ごまかすように唇を強引に重ねてきた。





その時副長の顔が
ほんのり赤かったのは…


私の気のせいだろうか?





end


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