暗喩に気付けぬ


たとえば、人生を料理に捧げてきてそれで金儲けをしていた奴が料理をやめたらどうだろう。お金を稼げなくなってそのうち路頭に迷うのは目に見えているだろう。

ならば、仕事を探さなければならない。海の見える家を購入したのはつい数日前だ。ローンは一切汲んでいないから一括払い。衝動買いと言っても過言ではない最後のバッジを手にするまでの間に滞在してとても良い街だと感じた結果である。

ラプラスは包帯をつけたまま泳いでいる。他の皆も遊んでいたりまだポケモンセンターで見てもらっていたり。リハビリにとジョーイさんが許可してくれた。一緒に遊ぶ気分でもないので海を眺めて向こうにあるリーグをみる。あんなふうにこてんぱんにされて、皆をあんな大怪我させてしまったのは初めてだ。

「もう、家に戻ろうか」
「トィィウォ」
「ジョーイさんにも言われてるでしょ。駄目戻るのよ」

駄々をこねるラプラスを問答無用でモンスターボールの中に入れる。

自宅に帰えってしまおう。これからの生活について考えているとヒカリから連絡が来た。シンオウにきたばっかりの時にお世話になった。出てみると可愛らしい鈴みたいな声が聞こえてきた。

『ニゲラさん。お久しぶりです、あのチャンピオンに挑戦したんですよね』
「まあ、シロナさんに見事に負けちゃったけどね。今はナギサにいるの、だから事務に挑戦しに来るときにおいで」
『良いですか?でも今はお手伝いでキッサシティなんです』
「大変じゃない。とっても寒いもの」

思い出すだけで身震いをしたけども、手伝いとはいったいなんだろうか。あの場所には湖や神殿くらいしかないはずだ。博士の手伝いだろうか。

「手伝えることなら言ってね」
『お気持ちありがとうございます。でも、大丈夫ですから。エンペルトもついてますから』
「そうか、で何か私に用があって電話したんでしょ」

用事の内容は簡単に言えばテンガン山に向かってほしいとのことだった。ギンガ団というカントーでいうロケット団を倒すのを手伝いを求めているらしい。

「ごめんね。今はバトルが出来ないの皆入院していてね」
『まさかギンガ団に!』

違うわよ。私があんなのに負けるわけないでしょと言うとヒカリは安心した声が聞こえた。怪我をしてしまったのはチャンピオンのシロナさんとの本気の戦いをしたからだ。怪我をしてしまったのは私が悪かったのだ。
明日は求人広告でも見て仕事を探さなければ。いくらファイトマネーがあってもあるものはなくなっていく。家に戻って冷蔵庫の中身を見てみるとまともに食材が入っていない。実家だとお手伝いさんが冷蔵庫の中に色々と入れていてくれたが、適当にチャーハンでも作ろう。

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