どんなことがあっても味方だなんて誓えないけど、どんなことがあっても愛しているわ。


ヒワダタウンの薄い茶色を見ながら、愛らしいイーブイのブラッシングにいそしむ。瞼を下して気持ちよさそうに眠りに浸り始めた。小さくて長閑な街並みは故郷の様にも感じるが、あちらの方が華やかだろう。でも、懐かしい雰囲気を漂わせているのは間違いなくこの空気が良い。
ミナキの後ろをついて回りたいが為の旅だが、非常に疲れている。膝の裏にある湿布は何よりの証拠であろう。厳しい稽古で体は慣れているにも関わらず筋肉痛が酷いものだ。眠りに落ち切ったイーブイをモンスターボールへ戻してやる。
眩しいけれど暑くない暖かな日差しを遮ってやる。田舎の長閑な空気に充てられたのかもう眠たい。
布団に潜って暫く目を瞑っているが、やはり眠れそうにない、寝るのが早すぎるのが問題だろう。普段はもっと遅い時間に眠っている。

今日はフワライドが頑張ってくれていた。イーブイは序盤に頑張ってくれていた。お姉様はブースター私は何に進化させようか。

明日は森を抜けれるようにしなければ、今日は抜けられそうになかったものだから早めに寝ている。ヤドンの井戸も覗けていない。黒い服の男たちが邪魔で入れなかった。この街の子供たちが遊びでそんな事をしている雰囲気ではなかった。あれは、どこかで見たことがある気がする。

(…ロケット団…)

ふとその単語を思い出してしまった。妹の事思い出したのもある。
組織は以前に壊滅状態へと追い込まれた。一人の少年によって。
目を閉じて本当の暗闇であの組織の事を思い出すがどんな悪事をしていたか、どんな団体だったか、どんな人たちがいたかもわからなくなってしまったのは歯痒い。ロケット団についてはあまり頭に入れないようにしていたからだ。
けれど思い出してしまった物はしょうがない。
懐かしい妹と母様を思い出させてしまい、家に帰りたいとそんな事を思ってしまうようになった。出てきたばかりじゃないか、まだ帰る訳にはいかないだろうに。子供の「また明日!」と大声を出しているのが聞こえてきた、カーテンから覗き込むと懐かしい気持ちだ。如何やら、出てきてる愚だと非常に寂しがり屋な様だ私は。



マツバはスミレとの幼いころの写真を見ている。
スミレとは家族ぐるみの関係で、婚約と言う話も持ち上がっていた。あれを彼女の気持ちを尊重するだなんて言いながら蹴ったのが問題だ。
今思えばなんてばかな事をしていたのだろうか、自分は。
全てにおいて後の祭り、旅に出たのだって本当は止めようとも追ったら止められたのに。

自分は想っている事が現実にすることが、どうやら苦手なんだとようやく気付いた。

上にホウオウを守る一族の者が外の世界等見なくていいと強く言えばよかったのだ、そうすれば、こんな思いをせずとも済んだのに。
自分の事を少しだけ笑ってしまった、自分の事を気付けたのなら次から治せばよいのだ、それできっと元通りになる。

戻る | 次

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -