こんなにも好き合っているのに、わたしとあなたは何をしているんだろう。


とっても悲しそうなのマツバが。私が旅に出ることを許されてきっと気付いてるだろうと思ってミナキの事が好きと相談してからずっと元気がない。元気があるように見せかけて、何でだか知っている。マツバがいつも行かないでと心の中で思っているのが聞こえてしまうからだ。

フワライドの腕につかまりながらに考えている。この寒空にワンピースとガウンじゃちょっと頼りないと思ったが意外と暖かかった。今向かっているのはキキョウシティ。エンジュと同じくらい古き良き気品が残っていて私は好感が持てる。ユキメノコそして、お姉様からの手紙を持って私はジム戦に向かう。

事の始まりは簡単に言えばお姉様からの手紙のせいだ。何が事務を制覇してリーグで負けてすべての気力がなくなっただ。私は自由を奪われていて生きる気力が皆無なのに。フワライドはぷわぷわ浮きながらキキョウを目指す。

「スミレさん。お久しぶりですね」
「最後にエンジュを出たのが二年前だからそれ以来ね」
「今日はジムですよね。勝負です!」

構えた彼に少し傷ついてしまったフワライドをモンスターボールから取り出すと嬉しそうに出てきた。バトルはマツバ以外には舞妓さんにイタコさん達としかしない。飛行タイプのジムと知っているので多少対策を練っている。普通にユキメノコで倒しても良いのだがつまらないのでフワライドを用意した。彼女も飛行タイプなのでこのジムの趣向に合わせての選択である。

「ピジョン!オウム返しだ!」
「避けてからの電磁波」

多少傷ついてしまったフワライドは持っていたオレンの実を食べて、特性のおかげで素早さが倍になっている。そして麻痺をしているピジョンにわずかだが素早さが追い付いてきたように感じる。物理受けは苦手だが体力がある彼女。飛行タイプは基本的に物理なイメージがあるので大丈夫かと思っていたが、これなら大丈夫だ。

「そこで十万ボルトよフワライド」

それからは彼の手からバッジを戴いた。なかなか疲れるけども、楽しい。お姉様がジムを廻っていた理由がよくわかった。私も今すぐにでも旅を出たい気分だ。でも、まだ駄目だって父様が言っている。ハヤトにそれを話してみると眉を下げられて悲しそうな顔をされてしまった。


「マツバさん。悲しむよ貴方の事が好きですから」
「私も好きだからマツバ悲しいなら私も悲しくなるわね」
「なら大丈夫。きっと上手くいきます」


丁寧な口調の彼にありがとうと一言言ってからフワライドの腕をつかんでマツバの家を目指す。少しでも良いから私の思いは話してやろう。きっと優しいマツバは話を聞いてくれて分かってくれる。どれほど私が外の世界に恋焦がれているかと。そして、ミナキの事が私がどれだけ好きかと言う事を。

寒空の下でミナキの事を考えると体が火照ってきているのが分かる。普段では分からないけれどもとても恥ずかしい。今はスイクンを追いかけている事だろう。そういう所が素敵だけども少し嫉妬してしまう自分がいる。

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