「君はもっとしっかりしろ!」

この台詞を言うのは何回目だろうか。
もう言い飽きたんだけれども。
なのにユーリは全く気にした様子もなく、ベッドにだらしなく腰掛けて僕を見上げてる。

「お前がきっちりしすぎなんだよ。俺は普通だ」
「そんな訳ないだろう全く…」

文句を言い募ってもユーリに効果はなし、だ。
いつから彼はこんな風になっただろうか。昔はもう少しちゃんとしてた気がするのに。

「そんなのだと、いつかみんなに見捨てられるよ」
「ここに何があっても絶対見捨てない人がいるから大丈夫です」
「な…っ!」

言葉に詰まる僕ににやにや笑うユーリが頭にくる。
でも彼の言う通り見捨てるなんて出来やしない自分が情けないのと同時にほんの少しだけ嬉しいと思ったなんて、ユーリに言えるはずもなかった。


不誠実な彼に恋をした誠実な君


(惚れた弱みをにぎられた)



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