この甘い香に

   何時迄も酔い痴れていたい







桜色の飴玉を一つ

彼女の口に入れてやった


美味しい、と喜んだ笑顔が

私の中に焼き付いた




「マールーシャは食べないの?」


ころころと飴玉を転がしながら
愛しいお前がそう訊ねる

私は最初から
お前が食べている飴玉しか持っていなかった

別段食べたいとも思っていなかったが

私は


彼女の頬に手を添えて

深々と口付けて


その飴玉を彼女の口内で共有し合った




甘いものが

私の全てを支配する




甘い甘い

桜色の飴玉


甘い甘い




お前の香──…

 


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