「いらっしゃいませ!
…あら、なぁんだマサラの仲良し三人組じゃないの!
珍しいわね、三人だけでなんて。もしかして初めてじゃないの?」
トキワのフレンドリィショップに足を踏み入れると、店員が大きな声で挨拶した
しかし振り向いた先の出入り口に居たのが小さな常連客だったので、店員の女性は砕けた口調で話しかけた
「へへ! 実はね、遂にトレーナーデビューなの!」
「あらおめでとう! じゃあお姉さんがトレーナーカード作ってあげちゃうわね!」
女性はルンルンと嬉しげにカウンターの向こうへ入る
カチャカチャとパソコンをいじり、プリンタから出てきた紙を三人に渡した
「はい、これに名前と出身地書いてね」
「えー、そんなん知ってんじゃん。わざわざ書かなくても」
「本人の字じゃないとダメなの! そーゆー決まりだから、書いて書いて!」
「証明書の発行なんだから普通そうですよねぇ、あはは」
「レッドてめえ」
「いーから書きなよグリーン。私もレッドももう書き終わっちゃうよ」
「えっ!? はえーよちょっと待てよ!」
「はい終わり。お姉さん登録するの僕とシアンちゃんのだけでいいですよ」
「レッドてめえええ!」
「はいはい仲良く三人登録しますよー」
お馴染みのやり取りに店員の女性は慣れた風に対応していく
三人の後ろで黙っていた三匹だったが、なんだか先程の自分達のようで、顔を見合わせてくすくすと笑った
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