「ねえ! もう考えてあるって事よね? だったら早く教えて!」

ゼニガメが待ちきれない様にレッドにぴょんぴょんと飛び付いた
おやおやとフシギダネが苦笑うが、その顔はやはりヒトカゲと共に期待に満ちている

「あはは、ゼニガメの慌てんぼさん。そんなに心配しなくても、ちゃんと言うつもりだったよ
 トキワシティに着いてゆっくりしてからの方がいいかなぁって思ってたんだけど」
「だめっ! 今!」
「うん、分かった分かった
 ゼニガメ、君の名前は──カノン。カノンちゃんだよ」
「カノン!? カノンね、カノンカノン!」
「マスター、ぼくは?」

フシギダネが唇に人差し指を当てながら首を傾げる
グリーンはフシギダネの小さい頭をぐりぐりと撫で、「ちゃんと考えてあるってーの」と答えた

「フシギダネ、お前は──リンドだ」
「リンド。ふふ、リンドですね。うん、覚えました」

二人と二匹を見て、もじもじと様子を窺っていたヒトカゲも、シアンのスカートの裾を遠慮がちにぎゅっと掴んだ
シアンはしゃがみこんでヒトカゲと目線の高さを合わせる

「ヒトカゲ、貴方は──レイナ!」
「レイナ…ぼく、レイナ、…えへへ、レイナ」

三匹がそれぞれ嬉しそうな仕草を見せて、飛び跳ね回ったり、三匹同士で顔を見合わせては笑ったり、三人に擦り寄ったりしていた
それを見て三人はまた顔を合わせ、やはり笑ってしまった




若葉のトキワ
-君だけの-







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