今、三人はトキワへ向かうマサラの出入口を目の前にしている
マサラは小さな田舎町。三人の旅立ちに、町中の殆どの人が見送りに来ていた

「レッド、頑張ってね!」
「これ以上レッドに負けたりすんなよグリーン!」
「オイ、これ以上って何だよ!」
「あはは」
「お前も笑ってんじゃねーよ!!」
「シアンちゃん、帰ってきたらポケモンの話いっぱい聞かせてね!」
「うん、いいよ〜」

三人は特に子供達からの人気が高かった。仕事で町の外に親が行ってしまい遅くまで帰らない世帯が多いので、そんな家庭の子供達とよく遊んでいたからだ
わらわらと子供達に囲まれ、足元のヒトカゲが不安そうにしているのに気付き、シアンはその頭に手を置く。幾等か表情が和らぐ
ふとレッドとグリーンの方を見ると、ヒトカゲ程ではないが流石にゼニガメとフシギダネも驚きと戸惑いが隠せないようだった
顔を上げると同じ事を思っていたらしい二人と目が合う。三人は笑い合い、子供達や町の人達に向き直る

「それじゃあ、そろそろ行きます」
「此処まで噂が届く位やらかしてやるから楽しみに待ってろよ!」
「帰ったらいっぱいポケモン見せてあげるからね!」

三人は顔を見合わせ頷き、声を揃えた

「それじゃあ──行ってきます!!」




始まりのマサラ
-さよならマサラタウン-







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