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今回はドラコです。よければどうぞ












今日はぬけるような晴天のせいか生徒が中庭にたくさん集まっていた。昼休みという楽しみの時間、皆誰かしらと仲良く笑いあっている。そんな中、一人で木陰に腰を下ろし、寝息を立てる一人の女生徒。

スリザリンの緑のローブをきて、本をひらきっぱなしのまま頭をたらしている。そんな彼女に近づく一人の男子生徒が目に入る。目立つプラチナブロンドを揺らしながら彼女に近寄っていけば小さく彼女の肩を揺らした。





「おい、起きろ」


「ん…んう……マ、マルフォイ?」


「ああ、そうだ。こんな所で眠って…風邪ひくぞ」


「ふあぁ…でも気持ちよかったのよ…ほら、今日は天気がいいから。それで…何か用?」



彼女が言葉を紡げば、彼は怪訝な表情になり、眉をよせた。そんな彼をくすり、と笑った彼女は本を閉じて立ち上がった。



「…その本、使いたい生徒が他にいるから早く図書室に返しにきてほしいらしいぞ。伝言を頼まれたんだ、僕は」


「あ、そうなの。わざわざありがとう」



それを聞けば彼女は柔らかい笑みを浮かべて彼の横をすり抜けた。途端にくるり、とそれに反応した彼が彼女に声をかけた。



「何処いくんだ、」


「何処って…図書室だけど…」


「……ら、」

「…?何?」


「…なら、僕も一緒に行く」


「どうして?」




不思議そうに目を丸くする彼女にいらいらした表情の彼はぶっきらぼうに彼女の手を無理やり握って歩きだした。それに本当にびっくりした彼女は慌ててついて行くが、緊張しているように体は固まっていた。




「ちょ、マルフォイ!」


「……仕方ないから付き合ってやるっていうことだ、悪いか」



文句の一つでもいうつもりで顔を覗きこんだ彼女だったが予想外に彼の頬は赤く染まっており、絞り出されるように紡がれた言葉は彼なりの優しさ。それに気づけばふっ、と頬が緩む彼女。



「ありがとう、マルフォイ」


「……ふん」




手を握る力がお互い少しだけ強くなったのに気づいたのは二人だけの秘密。






end






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