悔しいよ、やっぱり。
だってさ、だって、みんなあの子に盗られちゃったんだよ。
私のほうが仲良かったのに、
私のほうが頭いいのに、
私のほうが…
でも、わかってるんだ。
性格も、容姿も、あの子のほうが上ってことくらい。
人間比べたらきりなんて無い。
わかっててもさ、比べられずになんかいられない。
いられるもんか。
この悔しい気持ちをあの子は分からないんだよ。
もちろん、私もあの子の気持ちなんか分からない。
興味すら無い。
人間だもの。
他人なんてどうでもいいんだってことくらいわかってるよ。
だけどさ、嫉妬なんてせずにやっていけないんだよ。
悔しい、憎い、恨めしい、
汚い感情が溢れてくる。
人間らしい感情といえばそうなんだけど。
この真っ直ぐな気持ちを吐き出してしまいたい。
涙が一つ零れた。






夢小説とかで転校していったりその街に行ったりってしたら大概は人気になります。
それが悪女でも。秀才でも。純粋な子でも。
だけれども、もともとその地位にいた子がいると思うのは自分だけだろうか。
憎いし恨めしい、絶対に。
大切なもの盗られちゃったわけだし。

この話には前作がありまして、こちらになります。










「悔しい、なあ…」

ぽつりと滴が零れる。

「私のほうが…、悔しいな…」

今更負け惜しみだってわかってるけど、さあ。
なんでだよ。
私のほうが、仲良かったじゃん。努力してたんじゃん。
急に来たあんな子に、盗られちゃうなんてさあ。

「不平等だよ、世界は」

空もなんだか悲しんでるみたい。
神様が敵でも、お前はみかたなのかな。
そう思うとなんだか笑えてきた。
神様は空にいるって聞いたんだけどなあ。






途中で力尽きたのでやめて、再挑戦したものが一番上のやつです。
まあ簡単にいえば「不平等だよ、世界は」って言わせたかっただけ。


20110806






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