「ところで…ふーん、へぇ、あら」

あーちゃんが旦那をジロジロと無遠慮にも観察し始めた。

「?」

旦那も微笑みながら応じる。
…私には絶対あんな優しい顔して笑ってくれないくせに、

「結構な色男じゃない。
 ゆっきーには勿体無いくらいの。」

「ひどくない?!」

「ないない」

え、つかなんでそこだけのんの?!ちょ、旦那!
すっごいいい笑顔じゃない?!!!
おかしいよね、それ!

「「うるさい」」

「読心術する方が悪いんだもんねーっだ!ばーか!」

「あら、ごめんなさい?
 そんなに死にたかったなんて知らなかったわ。
 今すぐ殺してあげるから、」

「君とは気が合いそうだね、麻祇さん。
 殺してあげよう。」

「すんませんした。」

怖いよお兄ちゃん。

「ふふ、分かってるならいいんだよ?」

「で、あの、お仕事のほうにお戻りくださいませ。」

「仕様がないなぁ。良いよ。」

え、やった!

「とでもいうと思った?馬鹿女。」

「もーやだぁああああああああああああああああああっっ!!!」

なにこいつぅぅぅぅ。
ていうか奥さんに馬鹿女って!
ありえないよねぇ!
あーあ、夢見てたのとぜんぜん違うや。
優しい旦那さん欲しかったなぁ…!

「雪代は…俺じゃ不満?」

とかっていっていっつも言えないんだよねぇー。

「不満かどうかきいてんの。質問に答えてよ?雪代」

「あれ、え、実物ぅぅぅぅぅ?!?!?!」
※実際に他人に向かってこのような事は言ってはいけません。

「実物以外の何に見えるのかな?病院でも行ってくる?ああ、行くなら頭の検査を優先にしてきたほうがいいね。馬鹿だから。」

もうやだ…


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