前回までのあっらっすっじ(キラ)

「うわ、うざい」

「ちょっと、黙っててよ旦那。」

「はいはい」

私こと雪代ちゃんは魔王の妻で、毎日魔王に虐げられております!(まあなんて可哀想!)
雪代ちゃんは魔法使いで色々なことができます(えっへん!)
しかし、魔王はそれを余裕で上回る上に無意味に優男です(いらいら!)
雪代ちゃんは諦めて魔王の妻として慎まやかに日々を大切に生きております(命は大切だよ!)
さて、ある朝雪代ちゃんが目覚めると隣に金髪の青年がおりました(びっくりだよね!)
青年は伊代紗月君といい、魔王の旧友でした(忘れられてたみたいだけど!)
伊代紗月君のことはおいておいて、雪代ちゃんと魔王は城下マルクトに買い物に来ました(お買い物お買い物楽しいなーっ!)
そうしたらなんと!(なんと!)
後ろから、雪代ちゃんに向かってなにかが飛んできました(きゃあこわい!)
そのなにか、とは雪代ちゃんの友人、伊代弥月ちゃんだったのです!(弥月ちゃんがキタ!)
ちゃんちゃん(ちゃんちゃらちゃっちゃ、ちゃっちゃん!)

「…殺していい?」

「ごめんねだーりんくらくらりん」

うわあ笑顔が怖いよたすけてだーりんくらくらりん!
弥月ちゃんは眉間に皺を寄せたまま、じいっと旦那を睨んでおります。
美人さんが台無しだよ!弥月ちゃん。

「…あたし、こいつ嫌い!」

「奇遇だね、僕も君のことがきらいみたいだ」

「うっわあ仲がいいねお二人さん!」

「…仲がいいように見えるのなら病院に来てもらおうか」

「雪代ちゃん、私と一緒に病院行きましょう!」

対照的に見えるけど言ってること実はおんなじだよね!って言ったら睨まれた。
なんで仲が悪いのかなあ。
そんなことを考えているとマルクトについて直ぐに分かれた伊代紗月君がふらふらと出てきた。

「飛鳥君、向こうに…って、あ、」

「なによこいつ…って、あら」

「弥月」

「紗月」

同時に指をさして声を上げるお二人さん。
あっらあ、やっぱり知り合いかねえ

「なんでいるの?」

「お前を迎えに。」

「はぁ?あたしは雪代ちゃんにあいにきたのよ?」

「雪代って、この女か」

「あら、雪代ちゃんを女扱いするなんて。
 飛鳥君って、まさかこいつ?」

ちょっ、弥月ちゃあああああああん!?!?
私は女だったはずだよ?!え?!

「ああ、うん。
 大好きなんだ」

「私こいつ嫌いだわ。
 雪代ちゃんの夫ってところが特に!」

「俺も嫌いだ。
 飛鳥君の妻ってところが特に!」

「…散々貶されてるね、僕達」

「泣きそうだよ、旦那」

めそめそ言いながら肩に手を置きあう。
なんでこの人達こんなにキャラ濃いの?
主人公私だよね?え?ね?ね?!

「…ちょっと、抱き合ってんじゃないわよ!」

「飛鳥君、そんなやつ放っておいて俺に抱きついてよ!」

「男を抱きしめたくはないかなあ」

旦那もあまりの彼等のキャラの濃さに目を背けた!
伊代ペアつよし!
旦那、ついに負けるか?!

「…雪代?僕がたかが魔法使いに負けるとでも?」

「…イエ、トンデモゴザイマセン」

「だよね?」

くすくすと笑う旦那から目を背ける。
もうやだ。
主人公の存在感消されてない?
ねえ?
効果音でもつけてやろうか!

「…全く、何考えてるんだろうね、この子」

「その変な所がかわいいんじゃない!」

「変なやつなんだよ、ねえ別れてくれない?飛鳥君」

「え、いや。」

もうお前らなんてきらいだああああああああああああああああああっっ!!
うわーんなんて泣きながらその場からダッシュする。
だけど数秒後に足を止めて踵を返す。

「…どうしたの?雪代」

「そういえば、伊代君と弥月ちゃんの関係聞いてなかったなあって!」

「うわあ馬鹿だ」

「さて、どういう関係なの?

軽蔑した表情の旦那を無視して二人に向き直る。
だって、旦那なんてね!もう知らないし!

「あたしと紗月は双子なの!」

「ふ、たご?」

でも、似てないんだよね。
ああ、そういえば男女の一卵性はないんだっけ?
確かに、綴紫と柚紫も微妙に似てない。
綴紫の目は母さん似で丸っこい。柚紫の目は父さん似で切れ長。

「そうよ?知らなかったの?」

「聞いてねえよ!」


思わず突っ込んでしまったが私は悪くない。
話によれば紗月君はもともと弥月ちゃんを連れ戻しに来たらしい。
とっとと連れ帰れよ。
っていったら紗月君に睨まれた
やだあ、こっわあい
買い物も終わった所だったか喫茶にでもいって二人で話したら?と旦那が提案する。

「飛鳥君がいないならいかない!」

「私は別にいいけど紗月がいなきゃ意味が無いわ!」

…というわけで喫茶なう。


再更新2011/12/01(最後のほうを編集しました)


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