「…ん」

首を回すとばぎぼぎぐぎ、と鳴る。
いくら寝ても疲れは取れないものだ。
身体をむくり、とベッドから起こすと右手に生温いものが触れる。

「…ん?」

あれ、おかしいなあ。
このベッド私のだよね?
え?あっれー、知らないオニーサンがいる。
まあいっか。
もうひと眠りしよーっと。
もう一度身体を寝かせて、れっつごーゆめのせかい!

「…ってんなわけあるかーい!」

確かに右手が触れているのは若い金髪の青年で。
頭が混乱してくる。
誰、このオトコ。

「っぎゃああああああああああ!?!?!へ、た、っ、へんたっ、がっ、変態がっ!」

「五月蝿いよ?ゆきしr…浮気?」

「んなわけあるか!誰これ!」

入ってきた旦那に飛びつき後ろに隠れる。
にへら、とにやけてるやつをじーっとみつめる旦那。
この小説そういうんじゃないからやめようね!
さわやか系ですから、残念!

「うざいよ、」

「存じあげております。
 って、いいからアレ誰!」

「…ん、…」

青年は身動ぎするもののまだ夢の中っ★らしい。

「おきろやてめえ?」

「お前何やってんの馬鹿なの?」

「あれ、知らなかったの?旦那」

「つかその"旦那"やめろよ、"旦那"」

「じゃあ"飛鳥さん"?」

「もういいよ」

「さいですか。」

「っていうか、この子起きないねえ。死んでるの?」

「いや、勝手に殺すなよ!」

身動ぎをしたかと思われた青年は勢い良く起き上がった。

「…ここは、」

「…起きた、」

「ね。」

起きたばかりの青年はまだ、状況が理解出来ていないようだ。


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