カサ…

…そろり、私は振り向く。
光沢のある焦茶色の殻…!
う、ぁあああああああああああああ!!!!!!!!
それは私にそろりそろりと近づく。
くるな、くるな、来てくれるな…!

「オクサマー、ドナサタンデスカー?」

「ぁ、あ、助けてぇぇぇっっ!!」

みっともなくたっていいから、なんだっていいからアレからは逃げたい!

「エ?ア、ケッコウデス。ワタクシモニガテデス。」

「うっそぉーん!」

「ウソジャナイデスヨー」

「も、なんだっていいからどうにかしてえええええええええ!」

昔からアレとアレだけは無理だ。
あああああ、気持ち悪いっ!

「騒々しいな、」

ガチャ、
ドアが開く。
確かあの部屋は…
旦那の、

「…雪代?」

「助けてぇぇっ!!」

部屋!
に飛び込む!

ドンッ!

「う、わっ!」

旦那に飛びつき部屋に転がり込む。
げふげふ。

「どうしたの?」

「あはは、」

かわいた笑い声しか出てこない。

「なにがあったのかなー?」

笑ってない…

「へぇ、そんなこと考えてる時間あるんだ?」

「“ごきげんようおひさしぶり”がいて…!」

「ごきげ…?…ああ、ごきぶ「言わないでえええええ!」

「そんなに?」

「名を聞くのすら悍ましい…!ああ、忌まわしい!」

「魔女のくせに」

「はっ、魔女でも嫌いなものはあるんですよーっだ!」

「とりあえず殺ってくるから」

「死体も捨ててきてね、」

「ん、」

ガチャ
ばきぼきごしゃぐちゃぎざごぐぐしゃ
パンパン
カッカッカッ
ジャー
カッカッカッ
ガチャ、

恐らく殺して捨てて手をはらって手を洗いにいって戻ってきたのであろう。

「終わったけど」

「あああありがとうございまする」

「で、お礼に何くれるわけ?」

なんですそのおきれいすぎてはきけのするほほえみは。

「夕食は何がよろしいでしょうか。」

「パスタ」

「畏まりました」

ソロリソロリと部屋を出ると先程のメイドがあられもない姿で捨てられている。

「ダ…ナサ…グフウッ」

…さーて、ゆっちゃんこのあとなにしようかなーっ!
え?見て見ぬふりするな?
ゆっちゃんなぁーんも見てないよ?
お分かり?
きゃ。


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