私とあーちゃんとの出会いは6年まえに遡る。
舞台は一族の母校、アルティミード学院。
中等部に入学した6歳の私は2歳上の兄に付いてまわるほど人見知りで、怖がりだった。
当然のことながら、内向的な性格であった私は数人でグループを作る授業でもよく一人になってしまう。
それは困る、と思った私は第二学年のとき、それなりの殻をつくり、外見上は人付き合いのそこそこ良い子を演じた。
しかし、必要以上に誰も近寄ってこなかったし、私も誰かといたいと思うこともなかったので中等部は結局そのまま5年過ごした。
必要とあれば適当に外見上仲良くしていた子と組んだし、必要なければ一人でやった。
私は中等部を卒業し、高等部に上がった。
あーちゃんに出会ったのはこの時だ。
持ち上がり組が多い中、入学組のあーちゃんを知ったのは自己紹介だった。

「緋季麻祇です。
 どうぞよろしく。」

多くの入学生が仲間をみつけるために「好きなもの」「タイプ」「趣味」等を語る中、それだけを語る彼女に目が付いた。
クラスも同じで、とっている単位も同じ。
自然と私と彼女は行動を共にすることになったのである。
行動するとともに、自然と私は心を彼女に許すようになっていた。
彼女も私に心をみせてくれるようになり、友達と呼べる存在になったのはその頃だったと思う。

その後6年。
彼女は友達から親友に、親友から腐れ縁に、かわり。
彼女とは今も、これからもかかわっていくであろうことを私は感じている。


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