次の夢へ…
「今回、すっげえ楽しかった。」
松山はすっきりとした笑顔を浮かべながら話した。
その隣には、岬と三杉がいて。
今は世界ジュニアユース大会が終わり、優勝した全日本メンバーで祝勝会が行われていた。
途中席を外した松山は、偶然岬と三杉に会い、そこの近くの椅子で座り3人で話していたところだった。
「本当に。」
「でも三杉には焦ったぜ。」
「僕も…いまは大丈夫なの?」
岬が心配そうに三杉に聞く。
それには三杉も苦笑する。
「ああ、大丈夫だよ。僕の心臓は簡単に壊れたりしないから。それに…」
三杉はふと言葉を止め、目を閉じる。
「それに?」
「…僕も、今回の試合には少しでも出るつもりだったからね。」
その言葉に松山は三杉を見る。
「三杉…」
「君たちのプレイを見ていて、僕も君たちと一緒にプレイがしたかった。」
「…そうか」
三杉は儚そうな顔をして、結構熱い。
岬も松山もそれは感じていた。
三杉との出会いは小学生の頃。
岬は実際に試合もした。
その時の三杉のプレイ、そして試合を見る力、統率力、指示、全てが凄かった。
二人ともそんな三杉に対して、一目をおいている。
「松山も…」
「…ん?」
「よくコンバートを了承してくれたよね」
その言葉に「ああ」と答える。
「まあ、お前の読みだから何か考えがあったんだろうと思ってな。」
松山ももともとは攻撃的MFで、DFというポジションは初めてであった。
三杉は松山の洞察力をかっていた。
試合に対しての適応力が鋭く、切り替えが早い。
「そのおかげもあって、今回の優勝があるんだと思うよ。」
「まあ、やるには勝ちたいしな。」
そう言ってニッと笑って返す。
「松山は変わってないなあ…」
そんな松山を見て、岬も笑った。
むっといて、松山は言う。
「お前だってそうだろ。」
「そう?」
「ああ、でも…まあまさか」
そう言って背伸びをして、ワンテンポ置いた。
「…お前とまた、一緒にプレイできるとは思わなかったぜ。」
「うん、僕も岬君とは初めて一緒にプレイしたけど、やっぱり君の適応力はすごいよ」
「そんな…」
ハハハ…と岬は照れて笑った。
岬は3年間フランスにいて。
みんなとはこの大会から合流した。
突然の要請に突然のチームプレイを強いられた。
だが岬は卒なくこなし、見事優勝へと導いた立役者の一人である。
「僕も久々にみんなと会えて、一緒にプレイができて嬉しかったよ」
「本当に…」
「夢のチームだよな」
松山の言葉に、二人も頷く。
「また、みんなでプレイしたいね」
「僕もそれまでには心臓病を治しておきたいな」
「俺も、また練習しなきゃいけねえな」
「そして」
「また、優勝だね」
「ああ」
「もちろん」
三人は笑いながら顔を見合わせて拳を合わせた。
その瞳は燃えていた。
「さて、そろそろ戻ろうか。みんな心配してる頃だ。」
「ああ、行くか」
「そうだね」
三杉の言葉に三人は会場へと足を運ぶ。
後に3Mと呼ばれる三人。
まだ若干15歳。
この時はまだ、気がついていなかった。
自分がそんな重要な選手になるということを。
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3Mでジュニアユース優勝ネタです!
3Mだいすきでw
この三人の組み合わせが好きですw
そして、これはブログにもともとあったものです(笑)
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