スパイ班3M・1





パラレルです。
観覧は自己管理でお願いします。








「おっす・・・て、」
「やあ、松山。おはよう。」
「・・やっぱ、岬は早えな・・・」
「そういう松山だって、まだ8時だよ?」
「・・・ま、お互い様ってやつか?」
「そうだね、何か昔からの癖みたいなもんだしね。」

そう言って、俺たちはお互い笑う。
ここ?
ここは、所謂会社だな。
俺たちはそこの社員。
・・・と言っても、社長なんていねえけど。
まあ、”代表”ならいるかな。
一番、頭のキレるあいつ。

自己紹介がまだだったな。
俺は、松山光。
ここの社員の一人だ。

で、さっきあいさつしたのは岬。
岬太郎。
昔一時期一緒の小学校で同じサッカーをやってたこともあって、仲はいい。
今は縁あってか、一緒の会社に勤めてる。

そしてこの会社は3人で経営してる。
一応始業時間は9時。
だからもう一人のあいつがここにいないのも当たり前。
まだまだ始まってもねえんだからな。

岬や俺は、昔からの癖でなんか早く来ちまう。
・・・といっても、岬は容量がいいから自分の仕事はなくて、朝仕事が始まる前にいつもここの部屋を掃除してくれている。
時々俺も手伝うんだが・・・
俺は俺の仕事が片付かないのと・・・
まあ、仕事の予習ってやつか?
それで朝が過ぎてしまうことが多い。
なんせ、あいつが俺たちに降ってくる仕事量の多いこと多いこと・・・
岬は本当にすげえ。
そんな仕事を時間内にいつも終わらせちまうんだもんな。
でも、一番仕事量が多いのは、岬かもしれねえのに・・・

「・・・あともう少しで来るかもね。」
「・・・ん?」

岬の方を見ると、何やらほかの方向を眺めていた。
俺もその視線をたどると・・・

”8時57分”

時計がそれを指していた。
やべえ!もうそんな時間!?と資料を片付けていると・・・
外からエンジン音が聞こえた。

・・・来た。
あいつが。

もうすぐそこの扉が開く。
それまでに!
なんとかこの机の上を片付けておかねえと!?

ガチャッっと扉の開く音。
同時に時計を見ると・・・”8時59分”。

はい、アウトー。

「おはよう、岬君に松山。」
「おはよう、三杉君」
「・・・よう」

挨拶を交わしたと同時に、三杉がこっちをみた。

「・・・松山、また、散らかしてるね・・・?」

ひいい!?
だからそう冷笑でこっち見るのやめろよ!?
早く片付ければいいんだろ!?片付ければ!!

片付け終わって「ふう・・・」と息をつく。
三杉のイライラもどうやら収まったみたいだな。

紹介が遅れたけど・・・こいつは三杉淳。
この会社の”代表”ってやつだ。何しろこいつがいなかったらこの会社は存在しないに等しい。
頭が相当キレる、敵に回したら怖いやつ。
ちなみに岬も敵に回すと怖いと思うぞ。

俺たち三人はずっとサッカーをやってた同じ世代のやつだ。
それを通じて、この会社を設立しようって案が生まれたわけだ。

「・・・で、今日の二人の予定は?」

優雅にジャケットを脱いで椅子にかける三杉。
そしてパソコンを開く。
相変わらず、手つきいいよな。

「僕は・・・外回りかな。案件に関わる事項が何点か引っかかってるんだ。ちなみにその案件はこれで・・・」

岬もパソコンを動かしながら資料を俺と三杉に配った。
いつのまにこんなの準備してんだ?
やっぱり要領いいよな、と思う。

「・・・というわけだから、僕は午後からしばらく外出するよ。戻ってこれたら戻ってくるけど。」
「わかった。で、松山、君は・・・?」
「俺?あー・・・」

俺の今日の仕事・・・は、と。
報告書の提出・・・だけか?

「へえ?」

そういって微笑む三杉に、とてつもなく嫌な予感がする。
・・・きっと、また、とんでもないことを頼まれるような気が・・・

「み、岬!?なんか俺、今日手伝えることねえ!!?」
「え!?あ・・・あっと・・・」

ペラペラと資料を見比べる岬。
は、早く!!俺に何か仕事を与えてくれ!!

「・・・残念ながら」

と、困ったように笑う。
ひいい!?
ぎぎぎ・・・と音がなりそうなくらいぎこちなく三杉の方を見てみると・・・

「じゃあ、僕の方を手伝ってもらえるかな?」

報告書なんて、すぐかけるもんね?との圧力まで・・・!!
その圧力がかけられたら、そりゃもう「わかった」と返事する以外になかった。

そんなこんなで話してると、電話が一本なった。
岬がそれを取る。

「はい、こちら・・・え?」

岬の声に、俺たちも岬の方をみた。

「はい、はい、・・・わかりました。11時くらいにこちらに伺ってもらいますか?」

その声にピンと来た。
仕事・・・だな。

「じゃあ・・・」

そういって岬が電話を切ると同時に、こっちを見た。

「・・・仕事かい?」
「うん。だいぶ困ってるみたい。よく聴かなきゃわからないけど・・・たぶん、今回の一件に絡んでる件だと思うよ。」
「・・・そうか。」
「一応こちらに11時に相談しにくるみたい。大丈夫?」
「ああ!」
「もちろんだよ。」

そういって3人で頷いた。

え?
俺たちの仕事がなんだって?
そういや、会社の説明もしないとな。

俺たちの会社名は表向き「三杉印刷株式会社」
裏では・・・「3M」と呼ばれてる。
その仕事内容は・・・

何でも屋みたいな感じだな。
まあ、ある一部ではスパイって言われてるけど。

案件が来ると、それに沿って動く。

情報は岬は掴み、
それを元に三杉が作戦を立てる。
そして俺は、それを実行・・・てとこだな。

案件は幅広い。
まあ、俺たちが優先するのは「人助け」が多いかな。

「さて・・・」
「じゃあ、用意しとくか。」
「よろしくね。」
「ああ。」

そして今日も俺たちは相談してくる人間を受け入れる。





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すみません!
軽くシリーズ化しちゃうかもです!
スパイ班3M!パラレルです!






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