雨が好きな理由
「雨・・・やだなぁ・・・」
ポツリと零す。
もうすぐ6月で、季節は梅雨に入る。
そうなると・・・自然と天気予報は雨マークがびっしりで。
そのことを思うと、私は溜息をついた。
だって、雨なんか降ったら、せっかくセットした髪もぐちゃぐちゃになっちゃう・・・。
それに、おしゃれして出かけても、濡れることを考えると・・・
「・・・そうかな?」
返ってきた返事に驚いて、そちらを見た。
淳は、微笑みながら頬杖をついて外を眺めていた。
「・・・淳は嫌じゃないの?」
てっきり私の同じだと思ってたのに。
だって、雨じゃ外でサッカーはできないでしょ?
「うん、わりと好きだよ。」
そう言って、私を見た。
「なんで?」
「うーん・・・」
思わず私がした質問に、困ったように笑う。
でも、その後に続ける。
「きっと、雨が降ればわかるよ。」
「・・・雨が降らなきゃ教えてくれないのね。」
そうやって拗ねると、クスクスと面白そうに笑い始めた。
「きっと弥生も好きになるよ」そう言いながら。
・・・時々、淳が考えてることってわかんなくなる。
なんで?雨が好きなの?
***
そんな解決しない会話をしてから、一週間。
ついに東京も梅雨の時期に入ってしまったようで・・・
やっぱり、天気予報は雨マークだらけ。
今日は曇りだけど・・・こんなんじゃいつ降るかわからない。
せっかく、淳とのデートなのに・・・
傘を持って、家を出た。
***
「・・・あ」
「・・・え?」
「雨だ・・・」
ポツ、ポツと水滴が手や顔にあたる。
「やだ・・・本当。」
・・・案の定、歩いてる最中に雨が降って来た。
「もう・・・だから雨は嫌なのよ・・・」
そう言ってため息をつきながら、傘を広げる。
ふと横を見ると・・・淳は傘を持ってなかった。
「・・・え!?まさか・・・淳、傘・・・」
「うん、持ってこなかった。」
そう言って、にっこりと微笑む。
微笑んでる暇じゃないでしょ!?
風邪ひいたらどうするの!
これから酷くなってきそうなのに・・・
「・・・なんでそんな呑気なのよ、淳は・・・」
そう言って呆れながら、淳を傘の中に入れる。
「狭いけど、濡れるよりましよね?」
「ありがとう弥生。」
そう言うと、さりげなく傘を持ってくれた。
「・・・だから、雨は好きなんだ。」
「・・・え?」
ふと聞こえてきた言葉の意味がわからなかった。
「雨が降ると、こうやって一緒にいれるだろう?」
そうやって、私の肩を引き寄せた。
「・・・!」
淳の方を見ると、優しく微笑んで私を見ていた。
もう、淳ってば・・・
そんな淳の言葉に甘えて、寄り添って歩いた。
***
「実はね、もうひとつあるんだ、好きな理由。」
「え、何?」
そう言うと、雨が段々止んできたことに気がついた。
歩いてるうちに結構時間が経ってたのね。
「弥生、前見て」
そう言って淳が前を指差した。
その方向を見つめると・・・
「・・・!」
私は目を見開いて、言葉を失った。
だって・・・あまりにも・・・
綺麗で・・・
「雨上がりの虹が好きなんだ。だから・・・」
「だから、雨が好きなのね・・・」
淳の言葉を続けると、「そう」と言って頷いた。
「特に今日の虹は綺麗に見えるよ」
「?どうして?」
「弥生と一緒にいるからじゃないかな?」
そう言う淳と目が合う。
ドキリと胸が高鳴った。
もう。
淳がそんなこと言うから・・・
・・・私も、雨好きになっちゃったじゃない・・・。
―――――――――――――――――――
突発的に書いてみたくなった三杉×弥生です!!
本当はなんて言うんだろう?(笑)
ぶっちゃけ、昔はあんまり好きじゃなかったです。というか、松美信者でした(笑)
でも、原作読み直してみたら「結構この二人好きだ!」と思い!!
いつか書いてみたいな〜とは思ったんですが・・・
弥生ちゃんは難しい!
三杉君は・・・微笑ませてないと、ボロが出ます(笑)
難しいです!もっと研究しなきゃ!!
やっぱり好きなシーンは、三杉君が心臓治るところかな♪
照れてる(っけ!?)ふたりが可愛いんですv
[*prev][next#]