こうして私は、自分の部屋に戻って来た。


「ふう……」

『どうじゃった?』

 ほっとして息をついていると、ゲンナイさんにそう問いかけられた。


「うーん……みんな過保護でしたね! タケルくんとヒカリちゃんが年上なのが新鮮でした!」

『ほうほう、他には?』

「あー……あと、思考が若干1年生の自分寄りになっちゃうんですよね。タケルくんたちへのさん付けも途中から違和感なくなったし……。妙に太一さんたちに甘えたくなったというか、なんというか……」

 私はごまかすように頬をかいた。普段は甘えようなんて思った事もないのに、あんな風になってしまうなんて――本当パラレルで良かった。現実なら顔から火が出るくらいには恥ずかしい。


『それはデータの影響じゃな! まあ大したあれじゃないし、気にするでない』

「いや、気にするでしょう!?」

 私は思わずパソコンを揺すった。大したあれって何!? 私にとっては重要だよ!


『まあまあ、これも良い経験じゃろう』

「本当適当ですねジジイ」

『だから語尾が……』

「それと、他のみんなを心配させるような事はやめてください」

 私はゲンナイさんの台詞を遮り、そう告げた。


「次からは上手く合流させてくださいね?」

『ふむ、分かった。善処しよう』

 ゲンナイさんは深く頷いた。善処するかは分からないが、多少はマシになるだろう。そうである事を祈る。


『では、そろそろ次へ向かうぞ。準備は良いか?』

「ええ、大丈夫ですよ!」

『よし、出発じゃ!』




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