「はやく大きくならないかな…、クロソフィ」


領主邸前の庭の中にある花壇の片隅で花の世話をしているソフィ。
アスベルからもらったクロソフィの種を育てているうちに花の世話をすることが好きになっていた。
今日もまた外に出て花の世話をしていた。



「…ソフィ?」


水やりなどを終え、花達を見ていると声をかけられた。顔をあげるとそこには


「リチャード!」


リチャードがいた。



「久しぶりだね。元気だったかい?ソフィ」

「うん、元気だよ。リチャードが来るの、珍しいね。どうしたの?」


旅が終わってからリチャードは魔物討伐を自ら進んでやっていたためなかなか会うことができなかった。

また、会う時はアスベルやソフィが城まで行っていたためリチャードがここに来たことを不思議に思ったのだ。



「ちょっと2人に会いたくてね。…アスベルはどこに?」

「アスベル?アスベルなら中にいるよ」


そう言うと、リチャードの手を引いて領主邸の方を向く。


「え?」

「アスベル、中にいるから行こう?」


と、領主邸の方へ歩きだす。


「花の世話をしていたんじゃないのか?」

「さっき、リチャードが来る少し前に終わったから大丈夫」

「そうか。なら行こうか」

「うん」



と、2人は領主邸の中へと入っていった。










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