―02

「これから入隊希望者の実施試験を行う。
 内容は幹部と木刀で討ち合いをしてもらう」

副長の土方の声で30人余りの希望者は緊張が走り、幹部は満面の笑みを浮かべる。

―幹部となら手加減したら終わるな。

希望者は茫然と土方の話を聞いている中、亜輝は一人楽しみに思えていた。

「土方さん、僕が相手しますよ」

満面の笑みで沖田が言う。

「総司、手加減しないだろ。
 土方さん、俺するわ」

最近槍の稽古ばっかだから。と言いながら原田が名乗り出る。

「そうだな、原田は適任か」

土方は納得し、原田は早速試験の準備を始める。

「始めっ」

局長の近藤の低く道場内に響く声で指名された希望者と原田との討ち合いを始める。

「やぁぁぁぁー」

希望者は声を張り上げ原田に立ち向かう。

希望者の懸命な顔の裏腹、原田は子供と相手するように笑みを浮かべて攻撃を全て流す。

―う、上手い。

正直、幼い頃から父上に稽古して貰ってはいたが女の私とやり合って兄さん以外に負けた記憶が、…いや一度だけあったような無かったような。

「次ぃ」

あっと言う間に一人、二人と片付いていく。

手を抜いているがとても綺麗な動きで見惚れてします。

―あれ、この人…

知ってる。

随分前に女子の格好をしているときに会ったとこがある。

男装ばれなきゃいいけど…

「おぉ」

考え事をしている間に原田の相手の希望者が変わり、希望者の方が押している。

この希望者も動きに切れがありとても綺麗だ。

と思った矢先、顔を引き締めた原田の一撃で終わる。

「あ、有難う御座いました」

今までで原田とやり合った人の中で唯一礼を言う。

いや礼が言えるほどの意識があると言った方があっている。

他の希望者らは端でまだ息を切らしている。

「次、桐矢」

―次自分か。

「ハイっ」

静かに構える。

何時ぶりだろう、こうして人と正面でやり合うのは。

何時もは酔って油断している相手の後ろから殺ることが多い。

「始めっ」

原田の隙を伺う。

と言いたいが隙が全く見えない。

お互い見合ったまま動かない。

「左之さん動きなよ」

笑いながら平助が言う。

「餓鬼だな、平す―」

原田が平助に返事をするときに少しだけ見せた隙を見逃さない。

しかし、綺麗にかわす。

一度動きだしたらお互い動きを止めない。

止めたら終わると本能が言う。

打ったら止められる、止めたらまた次が来る。

考えている暇など与えてくれない。

本能で打ち合う。

どれくらい経っただろう。

「ハァハァ」

息が声となす。

―あれ、目の前が…

その一瞬を原田が見逃さず打ってくる。

バタン。

その一撃で亜輝は倒れてしまう。

「やめっ」

―挨拶しなきゃ

亜輝が立った瞬間力が抜ける。

「おぉ、大丈夫かっ」

倒れそうになる亜輝を原田が受け止める。

「おっと、土方さんこいつ俺寝かせてくる
 ちょっとやり過ぎたからな。」

「頼む、じゃあ後は―」

「僕がやりますよ。」

総司が名乗り出たらしい。

あとの希望者らは手加減無しの総司に滅多打ちにされたそうだ。

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全く纏まらない\(^q^)/

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