いつも貴方の傍にいることが、当たり前みたいになっている。彼の隣で笑い合える、それがわたしの幸せの時間(とき)―――






貴方との幸せの時間






最初、応接室に行ってみたが彼は居なかった。彼に連絡をすれば、屋上にいると返信があったのでわたしは急いで屋上へ向かった。


「雲雀さん…!!」


彼を見つけたわたしは、駆け寄りながら彼の名前を呼んだ。



「…どうしたの?」

「もうすぐお昼ですし、お弁当持ってきました」

「毎日ありがとう」


雲雀さんと昼食を摂るのも、付き合うようになってからは毎日のこと。ただ、2人っきりと云うことに慣れないわたしはドキドキの毎日だ。


「今日は、ハンバーグ作ってきましたよ!この間は失敗しちゃいましたけど、今回は美味しいと思います」


そう言ったわたしの言葉に、彼はハンバーグを口に運んだ。

最初は、和食中心に作っていた。だが、後からハンバーグも好きだと知ってからは、何度か作り彼に持っていった。



「…あの、……どうですか?」

「悪くないよ」

「…むっ。そんな言い方じゃ、美味しいのか不味いのかどっちか分かりませんよ!」


そして、食べた後にはいつだって彼はそう言うんだ。

確かに今までにも何度か食べてもらったが、何度か渋い顔をされてしまっていた。




「……美味しいよ」


だけど、今日は違ったみたい。ポツリ、呟いた彼の一言が、わたしは嬉しかった。


「本当ですか…!?」

「嘘を言ってどうするの。本当に美味しいよ」

「そ、ですか。――ふふっ、良かった」


雲雀さんの言葉に後から感情が溢れてきて、つい笑みが零れた。




「雲雀さん、明日は何が食べたいですか?」

「和食なら何でもいいよ」

「和食って、幅広いですね……でも、分かりました。とびっきり美味しいのを作ってきます。明日を楽しみにしててくださいね!」

「頑張って、楽しみにしてるから」


こうやって、明日のリクエストを聞いたりするのも日課になってきている。



「今日もありがとう」


そして雲雀さんは、わたしの頬に一つキスを落とした。







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