Sweet lunch | ナノ
どうしてこいつらはいつもいつもこうなんだ。
「あ、悠太のお弁当卵焼きが入ってる」
お前のにも入ってるだろが。
「1個ちょうだい?」
だから入ってんだろが。
「もー…しょうがないな」
しょうがなくねぇ。お前も弁当箱差し出すな。
「悠太食べさせて?」
ここまではいつもと変わらない昼休みだった。
小ザルは「春ちゃん食べさせてー」とか言ってるし、春は困ったように笑ってるし。
悠太はここで祐希に食べさせてやったりしない。いつもならば。
「いいよ」
なのに悠太は何を思ったのか祐希の口の方へ卵焼きを運ぶ。
祐希は少し驚いた顔をして、でも嬉しそうに食いついた。
「オレも祐希に食べさせてほしいなぁ」
どうした悠太。
オレは驚いて声も出なかった。
それから二人は交互に弁当を食べさせあっていた。
見たくもねぇ光景を見せつけられて、オレはものすごく不愉快だった。
詰め込むように自分の弁当を食べる。
どうにかして食べ終えると、二人は向き合って座っていた。
これはもしかしなくてもそういうことなのか…?
と思っていると、二人の距離が縮まって、顔が近づいて近づいて…
「っ!?」
唇が触れる直前でオレは目が覚めた。
まさかの…まさかの夢オチだった。
あー…朝から何てものを見せてくれやがったんだあいつらは…
八つ当たりに近いことを呟いて、オレは学校へ行く支度を始めた。
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もう最早何のお祝いなのかよくわかりませんが、奏夜さまに捧げます
2012.06.25
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