片想い5題



1.触れた指先に溜まる熱(祐→悠)


触れた指先が火傷してしまいそうだ。

「ゆうたぁー」

悠太を後ろから抱き締める。
伝わる悠太の体温。

いつから悠太のことを好きだったのかなんて覚えてない。
ずっとずっと昔から、気付いたら好きだった。
体温の伝わる背中も、悠太の匂いが感じられる首筋も、全部。
自分のものにしてしまいたいと思った。

スキンシップ過剰と言われることもある程悠太に触れることができるのは弟の特権だと思う。
今まではその特権を活用してくっついていたのだが、そろそろ限界かもしれない。
自分の気持ちを押し殺して弟として接するのは。

触れるたび指先に熱が溜まって火傷しそうなことを悠太は知らない。


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