Dear




「あー…日付変わっちゃった…」


ゲームを片付けて寝ようかなって思って時計を見たら、もう1時になってた。
悠太はもう夢の中。


「…まぁいいんだけどね」


今日という日は別に特別ではないと思う。
昔はいろんな人にお祝いしてもらえるしケーキ食べられるし、ちょっと楽しみだったりしたけど。
今はただ一つ年を重ねるっていう、それだけ。
他の日と変わりない。
悠太だってそう思ってるはず。


「……」


だけど、今年は何となくちょっとだけ嬉しくなった。
こうやって悠太と一緒に一つ大人になれること。
悠太と一緒に歩いていけること。


ぽちぽち。
ケータイを開いてメールを打って送信。
よし終わり。


「おやすみ悠太」

小さく言って電気を消した。






「あれ、メールだ」

朝いつも通りに起きて学校へ行く準備。
祐希はまだ寝てる。
そういえばケータイの電池切れそうだったなって思い出して、充電器を差し込んで充電。
明るくなった液晶画面にはメール受信のサイン。


「誰からだろ…?」

ケータイを開いたら、祐希からのメールだった。


ハッピーバースデー to ゆうた


読んだら自然と頬が緩んだ。返信。

ハッピーバースデー to ゆうき


送信。
祐希を見る。
その寝顔にはまだほんの少しあどけなさが残る。
だけど確実に、少しずつ大人に近づいてる。
オレと一緒に、少しずつ。


オレたちは、また一つ大人になった。





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浅羽ツインズおめでとう!


2012.06.25

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