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そのまま微動だにしない政宗を見て、幸村と兼続は顔を見合わせる。
構えを解き恐る恐る近づき、幸村は政宗の名を呼んだ。

「政宗殿…?」

幸村が肩を叩こうと手を伸ばした瞬間、政宗はがばっと顔を上げ勢いよく起き上がった。
一瞬ふらついたが片方の木刀を肩に担ぎ、もう片方を幸村に構え出す。

「馬鹿めっ、これも作戦のうちよ!!」

「そのわりには目に涙を溜めているではないか」

兼続が軽く政宗にみねうちをすれば、ぎゃっと政宗は叫び木刀を落としてしまう。
政宗は歯ぎしりをしながら一番相手をしたくないと毛嫌いする兼続を睨むも、急に幸村が近付き自分の前で片膝を付けばぎょっとしてそちらを向く。

「政宗殿、膝に擦り傷が…」

軽傷ではあるものの政宗はまだ子供。悪化したら更に痛むだろうと察した幸村は竹水筒を取り出し、擦り傷に水をかけた。
政宗はずきずきと染みる痛みに下唇を噛み、余計な事をと幸村の頭を軽く叩くも兼続に手首を掴まれてしまった。

「ばっ…やめぬか!わしを子供扱いするでない!!」

ぎゃあぎゃあと喚く政宗を兼続は見て十分子供らしいではないかという目線を送りながらにやにやと見つめる。

「とりあえずこれを…」

懐から白い布を取り出せば、幸村少しきつめに縛ってやる。応急処置とまではいかないが悪化しないように処置できれば幸村は政宗を見てにこりと微笑みながら立ち上がる。

「もう大丈夫ですよ?」

優しく頭を撫でる幸村と、やらしい顔でこちらを見る兼続に政宗は頬を真っ赤にすれば急にボロボロと泣き出した。
二人はぎょっとして、兼続は慌てて手首を離し幸村は心配そうに政宗の顔を覗いた。

「っ…ば、ばかめ…わしを、っこ、こど…こどもあつかい…っ、するでない…!」

ポロポロと大粒の涙を流す政宗に、再び二人は困ったように顔を見合わせる。いまだにぐすぐすと目尻の涙を擦りながら泣く政宗。
口を開いたのは兼続だった。

「山狗。悔しいのか?…ふ、それごとき屈辱でびーびーと泣くのでは、独眼竜の名が泣くぞ?」

火に油を注ぐような発言に幸村は目線で訴える。しかし兼続は口角を微かに上げながら政宗を見据える。
政宗は兼続の言葉に再び泣き出す事は無く、下唇を噛みながら必死に込み上げる涙を堪えた。数回鼻を啜り、痙攣する喉を静めるように唾を飲み込む。
幸村は、自分に何か負い目があるのだろうか心配そうに政宗を見つめる。

馬鹿め…と政宗は呟いて顔を上げる。
土だらけで、渇いた涙の跡が残る頬に赤く潤んだ瞳。どこか可愛らしい姿からは見受けられぬ事を言い出した。

「ふん、今ここでわしを生かした事…後悔するが――ぎゃあっ」

震える声帯で毒づくも急に幸村によって抱き寄せられれば政宗は悲鳴を上げる。

「よかった、元気になられましたか!」

元気になった政宗がたまらなく可愛かったのか、急に痛いくらいに抱きしめる幸村に政宗は兼続に助けを求めるように目配せする。しかし兼続は苦笑して肩を竦めるだけであった。

「これくらいの事でっ、わしは…うぎゃあああ」

「政宗殿の頬、柔らかくて気持ち良いです…!」

すっかり安心しきり幸村の中の抑制が解けてしまえば可愛い物に目がないのか、すりすりと政宗の頬と自分の頬を擦り合わせた。先程の気迫溢れる姿からは見受けられぬ様子に、兼続は小さくため息をついた。

「ば、ばばっ馬鹿めが!傷が悪化しあああああ!」

「いやはや、元気になられて本当に良かった…」

じたばたもがく政宗の耳元で急にしおらしく囁く幸村。
過保護というか、子供好きというか…
そんな幸村の一面を初めて見た政宗は、まるで自分よりも幼く見えてしまえばもがく事を諦め幸村が満足するまでされるがままになる事にした。


「馬鹿め…子供扱いするなと言ったであろう…」


半刻くらいして、ようやく政宗は幸村から解放された。
真田幸村の恐怖を身に染みた政宗であった。


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ごめんなさああああああああああい
小説なんて久しぶりに書いたからパニクりすぎてわけわかめになりました
そして空気兼続w
あめちゃんの中の幸村とまではいきませんがちょっと政宗らぶな感じをだしたら終わりが見えず強制終了しました!
こんな小説で良ければ受け取ってくださいね(^o^*)
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