「死にそうなんです!助けて!」 「へ?」 灰色の夏がやってきた!? こんにちは、有です。 なんだかよくわからん男子生徒(同じ高校)に助けを求められています。 なんで? 私、そんなに強そうに見えるのかな…? 「えっと、どうしたんですか…?」 怯えるばかりで答えない男子生徒。 漫画で背景に"ドドドドドドドドド"と激しく書かれているような音が轟いた。 「吉田ァァァアア!!!!!!」 いかつい顔した…アレは… 「至!!?」 なんだよオイ、私と顔が似てたから助けを求めたとかないよねぇ…? あ、そうか。 同じ顔があったら怖がって逃げるか。 「俺の…俺の……」 そんなこと考えてる間に至近付いてきてるよ! 「牛乳プリン食べやがってコノヤロー!!!」 わぁお。低レベルすぎるよコイツ。どっかの漫画の糖分で出来てるやつと同じようなこと言ってるよ。 「有ちゃんちょっとごめん!」 そう言って吉田(?)君は私の肩を台にして、華麗に私を飛び越えた。 …す、すげぇ。 跳んだまま吉田君は、我が愚かな弟に鮮やかな跳び蹴りをくらわせた。 鼻血を吹いて倒れる情けない我が弟。 アレ、私に助け求めなくても良くね? でも弟のこと最近ムカついてたからいい気分〜! けっ、ざまぁみやがれ。 「ごめんなさい、痛くなかった?有ちゃん」 なな、なんかかっこよい!← 私より背低くて可愛らしい容姿なのに… 「あ、ゴミ付いてる」 わ、私の髪を触らっしゃった!! キラキラして見えるよ、王子様みたi… 「おいてめぇ起きろや、あぁん?死にてぇんか!!」 こ、こえぇぇええ!!! なんでこんなにかっこよい方が至を脅してんの!?怖いよ!!? なんだこの嫌なギャップ… 私に青い春はまだまだ訪れないようです。 -------- 後々知ったこと。 実は吉田君は吉田組という極道の長の長男だとか。 だからあんなに脅しがお上手なのですね…(涙) |