「あちぃー」

あーはいはい、そうですねぇ。
皆暑いんだよコノヤロー。

「マジで、教室にクーラー無いとか死ぬー」

私の部屋、扇風機すらないですけど?
いや、本当、マジで!


こんにちは、髪が伸びました。
いつしかの双子の片割れです。
弟の方は相変わらずワルやってます。
そして、ヤンキーを殺ってます。
髪が伸びたので、おさげにしました。
そして、高校生になりました。
あああ、文章がまとまらない!

「あ、有」

なんか、聴きたくない声が聴こえた。
私の足は自然とその声とは反対方向へ…

「あ、おい。ちょっ、有どこ行くn」

駄目だコイツ。
早くなんとかしないと…
今の声の主は、弟。
コイツ、自分の影響力分かってるんだろうか。
コイツ、自分がヤンキー類だから絡まれて、一般生徒に距離を置かれてるって…
分かってるんだろうか……!

「有!実の弟を見捨てる気か、貴様!」
「私は何も知らない聴こえない」
「なんで最近伊達眼鏡におさげ?イメチェン?微妙じゃね?」

お前のせいだ、お前の!
おさげにしたのも、前髪伸ばしたのも、伊達眼鏡買ったのも、全部お前の顔に似てるせいだ!

「やばくね?絡まれてんじゃん、あの子」
「でもアイツに立ち向かうのはなぁ…」

コソコソ言ってないで助けて!(特に助ける場面でもない)

「倉田さんって、あのヤンキーと知り合い?」
「コワ〜イ!」

今まで色んな意味で友達出来なかったのに、これからは絶対無視だよ!!
涙さえ出ないよ、どうしてくれるんだ弟よ!

「有?聴いてる?」

あー聴いてる聴いてる、聴きたくないお前の声を思う存分な!

ガッ!

<説明しよう!
今の音はもう精神的に我慢の限界という限界を既に越えてしまった有が弟・至の胸ぐらを掴んで、持ち上げた音なのだ!>

「ちょちょちょちょちょ!!何々!?ご乱心!!??」

そうなんですよね、気持ち高ぶり過ぎてる有に代わって話を進めます。

「ああん?お前のせいでどれだけこっちが迷惑してんのか分かってんのか?」

黒い笑みがチャームポイントなもう一人の有が来ました!

「(やべぇ、覚醒した!)」

至が慌て出しました。
至は以前にも怒らせたことがある模様…

「言わせてもらうけどなぁ、お前が悪さばっかやってるせいで私がとばっちりを受けて…」

わ、滅茶苦茶溜まってたよ、ストレス。
有さん…
そのお気持ちお察しします。
ただ…そこ、校門ですよ?

「…オタンコナス!私の為に死ねぇ!!!……はっ!」

私……今何やってた?
やばい!やばい!やばい!
校門でこんな暴れて……やばい!
もうこの学校で友達出来ない……。

「あ、姉御ぉお!」

……へ?
男子が私に向かって突進して…きた?
ここここ、こえぇ〜!!!!!!!!!
バッと全員揃ってお辞儀をする男子生徒たち。

「姉御!俺を弟子にして下さい!」
「いやいや俺を下僕にして下さいっ」

M男達にウケた……?
有に群がる男子生徒にビビる至。

「こいつら、頭どうなってんだろ…」

呆れた顔で、その場から去る。

「ちょちょちょちょ!誰か、むしろ至ぃ!助けてぇ〜!」

なんでこうなっちゃうの〜!!?



前途多難な有なのでした。


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