「あ!流れ星!!」
「え!どこどこ??」

プレゼント

夜の奥底に僕達はいた。
寒い寒い10月の末。
何故だか分からないけど、10月27日を選んで天体観測。
「さむいさむい」と文句たれながら、僕達はマンションの屋上にいた。

「何見んの?星とかよく分かんないんだけど…」
「いーんだよ分かんなくても!見ることに意味があんの!」

力説でそう言うヤツもボソッと「おれもわかんないし…」と呟くのが聞こえる。
おいおい…。
それでも、笑顔で、嬉しそうなヤツの横顔。
何でかな…?
不審に思ったが、聞かないでおいた。
惚気られても困るし、機嫌悪くなるのも困るからな。
嬉しそうに空を見上げているヤツがいるもんだから、俺も釣られて空を見上げた。
都会で、明るかったから少なめだったけど、見えるものは見える。
可愛らしく小さく光る星と、大きくもないが、やる気の無さそうに光る星。
まるで僕らを映している様だ。

「あぁっ」
「え?」
「あれ、あの星流れてない?」
「あ、」

ゆっくり動いている光を指すヤツ。
あれは…

「飛行機じゃねぇ?」
「え、マジで?」

うん、マジで。
流れ星なんて早々見られるもんじゃ…

「ってあれ、流れ星!?」
「えぇ!どこどこ!?」

丁度ヤツの頭の真上で、キラリと流れていった。

「すっげぇえええ!!」
「久々に見た…。」

うん、ちょっと感動。
少しだけ幸せになるよね。

「良かった、見られて。」
「ん、どうした?」
「んーん。誕生日にギリギリ見られて良かったよね、流れ星!」
「あ、」

すっかり忘れていた。
今日俺の誕生日じゃんか!

「HAPPY BIRTHDAY!!17歳だね〜」
「…ありがとう」


プレゼント

(流れ星がプレゼントだよ!)
(お前今月金欠だからそれで済ましたんだろ?)
(……あ、バレた?)
(バレバレだ、バーカ)

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To 十色様
Happy Birthday!!

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