昔々、あるところに貧しい兄妹がいました。
その兄妹は小さい頃から働いてきたために無気力で、最近の口癖は「早くニートになりたい」でした。
そんな兄の名前はチルチル……

「ちげーよ、俺の名前そんなダサくねぇし」

……と言われても。しかもなんでこの時だけ熱くなってるの…。

「そういうもんなのまだ子供なの」

妹冷静じゃね!?何、この精神年齢の違い!

「俺の名前は至!わかったかー!!」

アレ、聞いたことあるんだけど…
妹の名前はミチル……

「ちっげーよ!私の名前はそんなに男っぽくない断じて!」

あーなんか分かってきたかもこの世界観。

「私の名前は有!わかったか、あん?」

あーやっぱりそうきましたか。
コレ、双子シリーズのパロだったんだ…。

「何訳の分からないこと言ってんだよ」

ちょ、ちょっと冷静になろうぜ妹ちゃん。

「私は妹じゃない、姉だ。そして、ナレーターうざいから誰か代われ」

ちょちょちょちょ、一応雇ってもらってるんだよ私も!
そんな簡単には代われないですからねー!

そんなこんなで双子の幼少の頃のパロです。

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クリスマスイブ。
夜になって、そわそわし始める至と有。
一応貧しい設定なんで今は関係ないけど、朝の枕元を期待してそわそわしてます。
そんな時、二人の部屋に魔法使いのおばあさんがやってきて二人に言うのです。

「私の孫が今病気でな。幸せの青い鳥を見つければ治るんじゃが、」
「ふーん」
「へー」

ちょっとちょっと、何その無関心そうな表情は!
ちゃんと聞いてあげておばあさんの話!

「どうか二人で―――」
「断る」
「二人で青い鳥を―――」
「「断る」」

あの、泣いちゃったんだけどおばあさん。

「泣いたからって同情すると思ってんなよクソババァ」

有ちゃーん!?口悪すぎでしょう!
そんな小さい頃から使い分けてたの二重人格ー!
ていうか、もう既に二重人格じゃねぇー!!

「二人で青い鳥を見つけてきてはくれんかね?」
「お前の魔法で治せ、いけるよお前なら、魔法使いの素質あるって!」

励ましてるというよりは、面倒だから適当なこと言ってるようにしか聴こえないよ、つか実際そうなんすよね?

「え、あの、いやそうじゃなくてね…」

おばあさん可哀相だから聞いてあげようよ話!
仕方なく眠くて不機嫌だった2人のお母さんが出てきて、言語道断で青い鳥を探させるようにした。
お母さん強いな…。

「あーかったるー」

ちょっと重めの鳥かごを弟に持たせて尚、不満を口にする姉・有。
あー設定的には妹なのに…。

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『思い出の国』


「なーどうせ夢オチなんだからさーいいじゃん思い出の国とかどうでもー」

なんか、あっさりネタバレしちゃってんですけど有さん。

「つーか、それより鳥かご重いんだよ有!俺ばっかに持たせんなよー」

あ、至の怒り小爆発。
そのときでした。話しかけてきたおじいさんとおばあさん、見たことのある顔です。

「てめぇ、あたしらの顔忘れたとは言わせねぇぞ?」

おばあさんんん!?何、ご乱心ですか!?
ていうか、死んだはずのおじいさんとおばあさんの設定なのに目茶目茶元気に脅してんですけど実の孫を!

「まーま。忘れたくもなるよねこんなクソババァの顔なんてさー」

有さん相変わらず毒舌過ぎだよ…。

「えーっと何々?人はおっ死んでも、てめぇが心の中で思い出してくれたなら、いつでもあうことができる、だよ?え、これ俺のセリフ?」

おじいさんんんんん!!!ちょっと、セリフとか言うなよあんた!こっちだって必死に内部事情隠してるんだから!

「あと青い鳥もいるらしいよ?あ、ほら、あそこ。」

軽いノリだなぁ〜!
見つけた二人は駆け寄りましたが、すぐに黒く変わってしまいました。

「チッまた違うとこ行かなきゃじゃねぇか…」

有さんが悪態を…。なんか有さんの悪態毒舌っぷりに慣れてきてしまった自分が怖い…。

「ま、せいぜい頑張れよ、我が愚かな孫達よ。」

死んだはずのおじいさんとおばあさんはそう言って二人を見送った。

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その後、
『夜の御殿』『贅沢の御殿』『未来の国』に行っていずれも青い鳥はいたが、二人が青い鳥に近付くだけで死んだり色が変わったりした。

12時半に母親にこっぴどく叱られて起きた朝。
青い鳥という収穫なしに現実に戻ってきた2人は…

「あー疲れた。どーでもいいけど、要は見つけらんなかったってことだろー?」

と至。

「オチ的には、身近にいて飼ってた鳩が青い鳥だったんだね、ウフフって感じで終わるらしーよ」

と有。
いやいや、また何オチとか言っちゃってんの!?馬鹿!!?

「馬鹿じゃねぇよ、作者ほど。」
「つーか、俺等鳩飼ってねぇよ?」
「はーい、物語不成立ー」

駅とか、そこら辺にいるじゃん鳩!捕まえて来いよ!!

「やだよ、めんどくさい。」
「はいはい、捕まえてきたってことにして、」
「「この話はおしまい!」」

この馬鹿双子がー!!!!
ということで、最後は誤魔化しちゃったけど、魔女のおばあさんは一応双子に幸せはすぐ側にあっても気付かないものだということと、常識はきちんとみにつけることを教えてくれた…のであろう。

おしまい。

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fairy tale parody:
青い鳥

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