昔々あるところに、赤い頭巾をかぶった可愛らしい女の子がいました。
毎日お母さんを手伝ういいk…

「んなわけねぇだろ。勝手に改竄すんなよ、作者。」

ハイ、すいません…。
赤ずきんちゃんはこんな腹黒に育ちました。


そんな赤ずきんちゃんにはお祖母ちゃんがいましたが、今は病気をこじらせて森の中の小さな家に住んでいます。
赤ずきんちゃんはお祖母ちゃんを哀れに思い、お見舞いをしたいと考えました。
そんな想いなんて全く無いってこと…ご存知かと思いますけど…。
お母さんに

「おい、地図よこせ」

と言い、お母さん半泣きです。
お母さんが目の前が歪みながらも書いた地図を奪い取った貰った赤ずきんちゃんは、颯爽と森の近くまで来ました。

「チッ、ここら辺面倒くせぇな。地図分かりにくいんだよ、あのババア。」

ちょ、お母さんをババア扱いしちゃ駄目でしょう…。

「あいつMだから喜ぶよ。」

関係ないから、それ…。ていうか、Mじゃないよ、多分…。
おっと、オオカミさん登場ですかね…

「な、何あの女の子…僕勝てる気しないよ〜」

泣き出しちゃったんですけど、オオカミ。僕とか言ってるし…。
いや、普通オオカミさんだから、行かないとそこは!あの赤ずきんちゃん相手は辛いだろうけど!

「…う、うん。僕頑張る。」

なんとも可愛いオオカミですけど。大丈夫かな〜

「そ、そこの、あ、赤ずきんちゃん。道に迷ってるの?」

オオカミと赤ずきんちゃん接☆触!
赤ずきんちゃんの反応は…?

「うん、そうなの。教えてくださらない?」

誰だお前はー!!!
そういや、腹黒ってこういう意味だったよ…。
オオカミさん笑顔だよ、思わず普通の反応で安心しきってるよ。

「あのね、この道をまっすぐ行くとお花畑があって綺麗だからお見舞いにするといいよ。そこから、まっすぐ行って右に曲がって左のほうに進んでいくとお祖母さんのおうちだよ。」

可愛い!喋り方が可愛いけど、本当にお祖母さん家、面倒くさいところにあるな…。

「分かったわ。ありがとう、オオカミさん。」

まだ崩さないんですね、そのキャラ。そのまま言われた通りにまっすぐ行く赤ずきんちゃん。
あの、オオカミさん?あなた先回りしなきゃなんじゃ…。

「あ、そうだった!」

そう言って急いで反対側にまっすぐ進むオオカミさん。
赤ずきんちゃんの方についていきますかね。
赤ずきんちゃーん、アレ?

「あ、あのオオカミさん…可愛かった…下僕にしたい…」

なんか危険なこと口走ってますけどー!?

「危険じゃないよ、私なりの愛だもの」

その愛…歪んでますよ。

「本当に!あのオオカミさんに一目惚れしたの!」

このあと食べられるかもしれないのに…。

「なんか言った?」

い、いえ、何も。
とにかく、花摘んだ方がいいんじゃないですか?

「そうだった!オオカミさんの為に摘も〜」

いや、お祖母さんの為に摘んでくださいよ。お見舞いにしようよ。

「えーあのお祖母ちゃんに摘んでもすぐ枯らすって!」

まぁまぁ、そんなこと言わずに…。
赤ずきんちゃんはオオカミさんとお祖母さん、9:1の割合でお花を摘むと、お祖母さんの家を目指します。

「えーっと右に行って左に進むと…あ、あった。」

赤い屋根の家。
近づいてみると、表札には『赤ずきんのおばあちゃんの家』と達筆な字で書かれている。

「おいババア、来てやったぞ、感謝しろ。」

え、ここで腹黒?おばあちゃんどんな人?

「入りやがれ、馬鹿孫が」

お祖母さんも腹黒か!こえーわ…ん?オオカミさんのはずなのに…
ま、まさか…

がちゃ。

「ほら、葡萄酒とかいろいろ持ってきたぞ、重かったんだから感謝しろ。」
「おお、ありがとうな、馬鹿孫。」

なんという会話…このお祖母さんにしてこの子(赤ずきんちゃん)ありですね。
赤ずきんちゃんがふいに顔を上げると、

「…え、オオカミさん?」

そうなんです、そこにはオオカミさんの姿が。

「ふ、ふえええええええええん!!!!!」

腹黒二人に挟まれて泣き出すオオカミさん。
先回りしたけど、お祖母さんに捕らえられちゃったんですね…。


「か、可愛い〜!もっと泣き顔が見たい〜」


赤ずきんちゃん…危ない発言だって、それ。


「そう言うと思った。お前の好みだから捕まえといた。」
「クソババアにしてはよくやるじゃん!」
「お前一言多いぞ、馬鹿孫。」

あの、お祖母さん…病気どうなったんですか…

「は?病気?なんだそれ、そんなもんなったこともねぇぞ」

うん、はっきり言ってそう見えます。
ウイルスとか怖がって逃げていきそうだもの。

「ああ?なんだって?」

な、何でもありませんんん!

「定期的に馬鹿孫に来てもらってストレス発散してる。あとはあの嫁に要求してるもの持ってこさせてるだけだ。」

要求って…このお祖母さんからだとほぼ脅迫。
しかも、ヤミ金並に怖いから、その発言!
その頃、

「オオカミさん!」
「ふっく、ふえ?」
「私の恋人(と言う名の下僕)になってくれませんか?」

なんというS心!そして、なんという誘い文句!
腹黒を隠した言葉、笑顔にオオカミさんは不覚にもキュンとして、

「赤ずきんちゃんのこと、あんまりよく知らないし…と、友達からなら…」

()の中身まで聴こえなかった、純粋なオオカミさんはほぼ承諾。
照れた顔がまた可愛いですね!

「あ、ありがとう!オオカミさん大好き!」

照れた顔にまた、キュンとときめく赤ずきんちゃんでした。


腹黒赤ずきんと弱虫オオカミ。

「あれ、俺の出番は?」


あ、狩人さん…無かったです。
赤ずきんちゃんとオオカミさん結ばれちゃったし。


「確かに、そんなオオカミは殺したくないかも…」


ごめんなさい、狩人さん。
そして、なぜラブコメになったんだ、『赤ずきんちゃん』!?


「まぁまぁ、いいじゃないか。運命とはえてしてそういうものだよ。」


誰だ、お前は。


「赤ずきんです。そして、お前呼ばわりするなんていい度胸だなぁ?ああん?」


アッー!




強制終了


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fairy tale parody:
赤ずきんちゃん



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