騒然とした中に、妙な笑顔が立っていた。 そいつは、透き通るような白い肌で傘を持ってる、典型的な夜兎族だった。 俺はぼーっとことの成り行きを見ていた。 妙に満面の笑みがイラッとする。 すると、その場に座ってその座席のご飯を食べ始めた。 あ、終わった、はやっ! あ、隣の席の人のも食ってる。 あれ?なんか雲行きが怪しい。 あ、ひそひそ話してる遊女の話を聞いてみよう……ん?ここの主人が怒った? ちょ、おい待て。 ここの主人ってこたぁ、バリバリ極道じゃないですか? やべーわ、マジでやべーわ。 コレ帰りてぇ……。 んで、夜兎族のあんちゃんは……と。 おい、釜ごと飯食ってるよ…大食いだなぁおい、大食いの域越えてるよなぁ…うお!主人登場……! やっべ!夜兎の血覚醒! 乱闘になってるよ、やっべーよ。 よし、ここはひとまず退散。 そろそろと抜き足差し足でゆっくりと退散。 時々当たりそうになるもの(クナイとかお盆とか枕とか)を避けながらもね。 丁度扉の前まで来たとき。 「俺の…獲物」 そんな不本意な言葉が聞こえ、出ようとした扉に刺さる傘。 さっき俺の頭が丁度あった位置に刺さっている。 っぶね……。 「俺と同等かそれ以上の血…」 大丈夫この子ラリってない? 目が逝っちゃってるよ。 「俺の獲物」 なんか荒んだ顔で笑われたよ、怖ぇよ! 言われた言葉も怖ぇよ! その後、攻撃攻撃攻撃攻撃……怒濤の攻撃の嵐に、俺は避ける避ける避ける避ける……うん、避けるしかしてないや。 そんで、なんか分からんが、気に入られたようで、勝負がつかないからとりあえず自分の手元に置くとかなんとか? いや、こっちの迷惑も考えろよ……俺には仕事があるんだっつーの! ついでにお前の手下になんかなりたくねーよ! 手足を拘束させられた俺が喚くと、 「手下になんかしないよ下僕だ」 ああ、更に下だった。 くそ、この夜兎むかつく! 「俺は神威、お前は?」 誰が言うかクソ! 「クソか」 あ〜神無だ! ひっでぇ名前だよなぁ…神無しってさぁ… 「はは、丁度いいじゃねぇか神なんて要らないだろ」 ああ、何こいつ、全仏教徒に謝れ。 そして、俺に謝れ。 最悪の出会い (神無って仕事してんの?) (してるよなめんなばーか!) (つーかさっき言っただろっ) ---------- 20091027 |