天気の良い昼下がり。
久しぶりの任務も何もない休日に何気なく里中をぶらぶらしていたら、見慣れた白銀が目についた。
何時もの忍服ではなく、ラフな私服の姿で里の入り口に愛読書を片手に佇むカカシ先生。

それを見て、ただ珍しいなと思った。
だって何時もは額宛に隠されている左目も今は日の光に照らされていて、口元はやっぱり隠されているけれどマスクだけだし。
ていうか普段はマスクなのか。
新たな発見をしたとそう思えばふっと笑いが零れた。

それに気付いたのか何処となく気まずそうに振り返ったカカシ先生と目が合った。


「……シカマル…?」
「どーも」
「あー…、いつから居た?」
「ほんの少し前から」


余程自分に見つかったのがまずかったのか、今まで見たことがないくらいに落ち込んでいる。
少しだけ見える耳がほんのり赤いのは気のせいか。


「珍しいっすね、カカシ先生がこんな所にいるなんて」
「…まあね」


今日は特別何かがあるという訳でもなかった筈だが、誰かと待ち合わせだろうか。
思い当たるだけ先生が待ち合わせしそうな人を浮かべてみる。

あ、そういえば。


「そろそろ帰って来る頃ですか」


誰がとは言わなかったけれど、先程よりも深くずるずるとうなだれる先生の姿を見て確信する。
本当に今日は新しい発見が沢山見つかる日だ。


「早く帰って来るといいっすね」
「……そーだね」


相変わらずうなだれたままでいるのを見て、思わず苦笑いを零す。
そしてその場を後にした。
きっともうすぐアスマも帰って来るだろうから。

不意に頬を掠めた風と共にアスマが愛用している煙草の匂いが乗った気がして振り返れば、二人の姿が見えた。
何となくカカシ先生の方が怒っているような。

あー、アスマごめん。
それ多分俺のせい。

次会った時にそう謝ろうと心に決めて、今度こそ足早にその場を後にした。





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