欲望を示す
テスト前日、相変わらず私の自室で勉強する。前、腰につけられたキスマークは消えたが、五色の真意は結局分からず仕舞いだった。勉強しているといつの間にか外は暗くなっていた。
「無理、疲れた。無理」
机に突っ伏すと五色が私の頭を軽く叩いた。
「おい、さっき休憩したばっかだろ」
「五色に教えるの疲れた」
「教わってねーよ」
五色は不服そうに言った。そんな五色を無視してテレビをつける。するとキス特集とかいう番組がやっていた。その番組は「喉は欲求を意味するんですよー」とか言っていた。私は速攻でテレビを消した。
「なんで消した?」
「.........。」
ニヤニヤしながら聞いてくる。そんなの言わなくてもわかってるくせに。また変な知識をつけた五色が吸うなり噛むなりしてくるから消したのだ。私はジロッと五色を睨んだ。向かい合わせで勉強していたのだが、五色は立ち上がり私の横に来て膝裏と肩に手を差し込む。ふわりと私の体が浮いた。いわゆるお姫様抱っこをされた。
「!?」
五色は私をベッドまで連れて行くと自分もベッドに乗っかり私に馬乗りになった。
「ちょっ!?勉強は!!?」
「疲れたんだろ?休憩しようぜ」
五色はニヤリと笑って私の手をすくい手首にキスをした。その行動にびくりとする。
「疲れてない!勉強する!」
「あーもーうっせえなあ」
五色は私の首筋にちゅうっと吸い付く。甘い刺激に体が反応する。五色は吸った場所をペロリと舐めた。温かい舌で舐められて脳が蕩けてしまいそうだ。
今度は耳を犯される。耳たぶを甘噛みされる。それだけで体は情けないくらいに反応する。五色が吐く吐息でさえ気持ちいい。くちゅくちゅと耳の中を舐められる。聴覚が犯された気分になり頭がおかしくなりそうだ。
「ゃ...っあ......っ!」
「嫌か」
すっと五色が私に刺激を与えるのを止めた。
「え?」
私は情けない声をだした。うそ、止められるの?やめないでよ。私は切なく五色を見つめるも五色は楽しそうに目を細めている。
「お前、“嫌”とか言いすぎ。たまにはお願いしてみろよ」
「......っ!」
「ほら、早く」
五色は私の頬から首筋を撫でた。そんな刺激でさえゾクゾクと反応してしまう。でも足りない。もっと欲しい。もっと......。なんてはしたない。私はいつの間にこんなにいやらしくなってしまったのだ。
「......意地悪っ」
「誰が?」
五色は至極楽しそうに笑う。くそ、余裕ムカつく。いつかその余裕なくしてやりたい。
私は上体を起こした。五色はそんな私を不思議そうに見つめる。私は五色の喉に軽く触れるキスをした。
「っ!」
「.........っ」
私は五色にしがみつく。五色はそんな私の肩に手を置いてゆっくりと押し倒した。
「キスで欲しがるとか、せこい奴だなあ」
五色は楽しそうに笑い、また私に甘い刺激をあたえてくれた。
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