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ハグの日



今日は久々のなまえとのデートだ。なまえに行きたいところはあるか?と聞いたら我愛羅と一緒にまったりしたい!と言われた。普段疲れている俺を気遣って家でデートしたいと言われたのに気づかないほど鈍くない。そんないじらしいところが愛しいと感じる。しかし家で人目に触れないとなると俺の理性やなんやらが試されるわけで、なまえは恥ずかしがり屋なくせに俺を信用しすぎだと思う。
ふとカレンダーを見る。昔のことを思い出して少し笑ってしまった。少しスペースを空けて隣に座っているなまえが不思議そうに俺を見た。

「どうしたの?我愛羅」

「いや……、少し昔を思い出してな」

「?」

なまえはさらに不思議そうに首を傾げた。俺は少し空いた距離を詰める。なまえがびくりと固まって頬を赤くする。

「なまえ、今日は何の日だ?」

「え?」

なまえが赤い顔のままカレンダーを見る。すると「あっ」と小さく声をあげた。

「む、昔のこと思い出してたってそういう……」

俺は緩む頬を抑えることができずになまえを見る。なまえは恥ずかしそうに目を伏せる。

「今は言ってくれないのか?」

「だって……、昔は自覚なかったから……、それに結局我愛羅からしてくれたでしょ?」

なまえはもにょもにょと照れながら言う。俺は自分でもびっくりするくらい優しい声でなまえの名を呼んだ。

「なまえ、」

「……っ、」

なまえは顔を真っ赤にさせて瞳を揺らしながら俺を見た。そして小さな小さな声で言ってくれた。

「……だきしめて、あげよう……か?」

俺は溢れ出る愛しさを制御できなかった。そう言われた瞬間、なまえを抱きしめる。なまえの体はあの時抱きしめた時より小さく感じた。なまえは俺が抱きしめた瞬間びくりと体を固くしたが、俺の背中にそろそろと腕を回した。

「我愛羅昔は照れ屋だったのに…」

「……今の俺は嫌か?」

そう言うとなまえはぎゅうっと俺を抱きしめる力を強めた。俺の胸の中で首を振る。

「大好き、今も昔も、ずっと」

「……!」

そうか、そうだな。こいつは今も昔も俺に絶えず愛情をくれている。愛しさと幸福が胸を満たしてどうしようもないくらい泣きたくなった。俺はなまえを愛している。


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