第2回 | ナノ
「源田君好き!」
「そうか」
「付き合って!」
「はいはい」
「今日も格好いいね!」
「ありがとう」

 毎日言ってもこれっぽっちも通じない告白に私の心は正直砕け散りそうだった。私だって一回一回告白する時は心臓が爆発しそうなぐらい緊張しているって言うのに!何回告白しても流されて流されて。いくら強靭な心の持ち主でもこれだけスルースキルを発動されて。いくら強靭な心の持ち主でもこれだけスルースキルを発動されたのなら爆発してしまうに違いない(現に私の硝子のハートはブロークンだ)。
 源田君と仲のいい佐久間に泣きついたら笑われた。そうだよ、こいつはそういう奴だったよね!こんにゃろー。佐久間の前の席に腰掛け佐久間の机に突っ伏すと頭に顎を置かれた。地味に痛い。

「お前も飽きないよなー」
「だって好きなんだもん」
「でも、源田は本気にしてくれない…と」
「その通り!」
「普通にあれじゃね?飽きられたとか」
「あ、飽きられた!告白に飽きられるとかあるの!?」

 佐久間の口から飛び出した言葉にかなり心に深手を負った。私の一世一代の告白(八回目)は飽きられてしまっていただなんて…。普通に酷い。いやいやでも優しい源田君だもんそんな酷いことは思わな「毎日同じ物ばかり食べたいと思うか?」…い自信が無い。そうだよね毎日毎日ふりかけご飯だったらたまには海苔ご飯が食べたくなるもんね…。分かるけれど、その気持ち。
 でも、素直に気持ちを伝えないと鈍感な源田君に通じたためしが無いし…。

「佐久間!どうしたらいいかな?」
「しんねーよ。源田に聞いてみたら聞いてみたらどうだ?」
「ねぇねぇ源田君って告白されるならどんな風にされたい?ってどんな羞恥プレイだよ!
それよりもイタイイタイ!頭が割れちゃう!」
「存在自体が羞恥だろうが」
「え?」
「え?」

 というようなことがあったせいで次の告白に向けて準備なう。
 私的には源田君に告白されるなら直球ストレートでも何でも飽きないのだけれども、源田君は飽きてしまったらしい。思わずドキッとしてしまうような告白を捜し求めて来たのは駅前の大きな本屋。こういう時は過去の先人達の知恵…そう!少女漫画を参考書として使えばいいよって基山君と吹雪君が言ってた!本屋の少女漫画のコーナーに行くと、毎月奇数号に出る分厚い読みきりが沢山載った少女漫画雑誌が出ていた。しかも今回は告白特集というホットな話題。なけなしのお小遣いをはたいてそれをすぐさま買って帰ってきたのだ。
 最初から順々に読んでいけば、定番なモノから変り種なものまでに載っていた漫画だった。内容はいつも告白しても振られてしまうヒロインが変わった告白をして両思いに…!というような内容だった。何ていうデジャブ!ちょうどこの漫画どおりに告白する為の条件みたいなものはうちの学校は全部揃っている。要するにやればできる。計画は再来週の月曜日の全校集会のときに。



 そして二週間後の月曜日。
 下を見渡せば人人人!下では毎週恒例の全校集会が行われている。ムス○ってこんな清々しい気持ちをしていたんだ、と一人興奮している。私の後ろには協力者であり、友人の佐久間に鬼道君(無理矢理引き込んだ)。そして野次馬の不動。屋上の上で四人が突っ立っているのは異様な雰囲気。風に鬼道君のマントと佐久間の髪、私のスカートがなびいている。完璧な最凶メンバーだ、負ける気がしない。「なんにだよ」不動に突っ込まれるがここはあえてのスルーで。バナナに構う時間など無い。

「佐久間、準備は良い?」
「いつでもいけ」

 そう言うと佐久間は私に目がフォンを手渡してくれた。鬼道君が手を回してくれて最新鋭のメガフォンを手に入れた私に向かうところ敵なしなのであります。息を大きく吸って吐いて深呼吸を繰り返す。大丈夫だいける!大きく息を吸い込み、メガフォンを口にあて力の限り叫んだ。

「源田君!あーいーしーてーるー!」
 




 え?その後?源田君と私は見事付き合うことになりました。周りの人の冷やかしに負けたのです、源田君は。別にこれからゆっくりと愛を育んで行けばいいじゃない。めでたしめでたし。
「だからって、二度としないでくれ」
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -