真っ白なウエディングドレスは、決して無垢ではない私には不釣り合いだと思っていた。 だけど、ある日あいつが結婚しようだなんて言いだすから着る羽目になってしまって、女の幸せとやらを私は着込んでいる。 「………」 ピンクのリップに燃えるような赤のバラのブーケ。 永遠の愛とか存在があやふやなものに縋るなんて、私は何を考えているんだろう。 浮気だとかする奴じゃないのはよくわかってるけど。 「行くぞ、なまえ」 七色の花畑で佇む私に後ろから話しかける愛しい人は、銀髪で透き通った翡翠の瞳をしていた。 「わかった」 空と海の境界線がわからないほど青い風景を眺めながら、私は答える。 ミルク色の綺麗な雲がアリスブルーの空に浮かんでいた。 振り返り微笑めば、永遠の愛もあながち嘘じゃないように思えてくる。 死が二人を分かつまで、二人は永遠だと…どこかの誰かが言っていた気がした。 ここは僕がかえる場所 |