第16回 | ナノ


※現代パロ


「何で、俺達こんなコトしてるんだ?」
「ん…好きだからじゃない?」
 そう言うと、なまえはやんわりと俺に口付けた。

 俺、アリババ・サルージャとなまえ・みょうじが身体の関係になったのは、何時のことだったろうか?俺達は幼馴染みで、幼稚園から高校3年に至るまでずっと同じクラスの腐れ縁でもあった。いつまでたっても男らしい体付きになってくれない俺とは違って、なまえは中学3年にもなると、もう大人の女の身体になっていた。いつも一緒にいて、食生活だって、それほど違っていたとは思えないのに、この差は何なんだ?なんてことから、なまえの身体に興味を持ってしまった俺なのだが、それはなまえも同じだったようで、なんとなく、二人で体付きの違いを観察しているうちに、俺はなまえを組み敷いていた。
「アリババってば、かわいい。顔、真っ赤だよ?」
 なんて、言われたような気がする。失礼なヤツだ。まあ、そういうところも可愛く思えてしまうのだから不思議だ。
 とにかく俺たちはキスしたり、体のあちこちを愛撫したりして、まぁ、いくトコまでいってしまった訳なんだが、不思議とイヤではなかった。一緒にいる時間が長すぎて、何となく、自然の成り行きのような気がしてしまったのだ。まるで、恋人同士のように。



「アリババ」
 気怠い午後の授業が終わり、教科書類をロッカーに投げ込んでいると、いつの間にかなまえが横に立ちにこにこ嬉しそうに微笑んでいた。もし尻尾が付いてたとしたら、千切れるほど振っていたに違いない。
「あのね、今日、親いないんだけど…」
「あぁ、そう言えば法事だっけ? 母さんが言ってた」
 隣同士と言うこともあって、両親同士も仲がいいのだ。
「泊まりに来ない?」
「別に良いけど…」
 なまえの頬がちょっと赤い。ヤツは分かりやすい。思わずくすっと笑ってしまった。
「何?」
 なまえが口を尖らせる。
「何でもないよ、じゃあ、帰るか?」
「あ、うん」
 ドキドキというなまえの心臓の音が聞こえてきそう。そんなに赤い顔してたら、周りが変に思うっての…なまえは体ばかり大人になって、中身は結構子供だと思う。


イケナイコトガシタイ


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