07


ファミレスでの食事から数日後。
滅多に鳴らない俺の部屋のインターホンが鳴った。

ピンポーン。

不思議に思い、覗き窓からドアの外を見れば、枢木が立っている。しかも、珍しく困ったような顔をしている。
開けようか、留守を装い無視しようかと迷っていると、またインターホンが間抜けな音を立てた。

ピンポーン。

…夕食を奢ってもらった恩もあるし、何か深刻そうな顔をしているし、もし居留守を使ったらピアノの練習もできなくなるし…と考え、結局俺はドアを開けた。

「はい。どうしたんですか」
「ルルーシュ!良かった、家いたんだ」

枢木は眉毛と目尻を下げた。こいつ、いつもへらへら笑っているくせに、何があったというんだ。

「実はね、僕の部屋の電気系統がやられちゃったらしくって…今大家さんに電話したら一週間くらい待ってくれ、って言われちゃったんだ。すぐには工事できないから、って」

…なるほど。だいたい話が読めてきた。

「だから、少しの間、泊めてくれない?あ、もちろん、迷惑料とか生活費とかは払うし、あの、ほんとごめん…」

内心、超絶に迷惑だったが…、まぁ、試験が近いわけでもないし、どうせ向かいに住んでた奴だ、かまわないか。

「そうだったんですか、大変でしたね。いいですよ」

俺の言葉を聞いた途端、枢木はうなだれていた頭を勢いよく上げ、顔を輝かせる。

「本当っ?ありがとうっ、ルルーシュっ!!」

そのままの勢いで俺に抱きつくものだから、あやうく俺は玄関に尻餅をつくところだった。

「ちょっ…、枢木さん、離れてください」
「これからお世話になるんだし、スザクでいいよ。僕童顔だし、違和感ないでしょ?ついでに敬語もいらないよ!」

ああもう、分かったから、とりあえず離れろ!




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