02
「さあ、かくれんぼをしよう」
その一言から始まったゲーム。
ルールは俺が決める。鬼はおまえだ。参加人数は二人、俺たちだけだ。俺を見つけろ。見つけられなければチャンスはない。
一方的に呈示されて始まったゲーム。
「何のチャンスだ」
「おまえが日本を変えるチャンスだ」
「…っ。何故、それを知っているんだ!おまえは誰だ」
声は笑った。
「見つければいいだろう。」
制限時間は1時間。それが過ぎたら、全てを忘れて、また元のおまえに戻るがいい。
***
スザクはアッシュフォード学園に通う学生だった。アッシュフォードは名門校で、学生生活になんら不自由はない。だが、スザクは常に何か、焦燥に駆られるような、焼けつくような心の焦りを持っていた。
何かが、違う。 これは偽りではないのか。
しかしそれを変える術を、しがない学生の自分が持っているはずもない。
そんな自分に、『夢』が訪れた。スザクは毎夜、ストーリー性のある『夢』を見続けた。そしてそれは常にデジャヴを伴う。
ああ、これはどこかで。 この人を、知っている。
しかし、夢から醒めると、ストーリーは思い出せるのに、そこにいた人々を思い出せない。声を思い出せない。顔を思い出せない。
そして、夢の終局。
僕は、 一番大切な人を殺して、 世界を救ったんだ。
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