02
ずっと気になっていた。 小学校に上がった時から。
一人だけ雰囲気の違う同級生。
とても綺麗で頭脳明晰、体力はないけど運動神経もさほど悪くない。
しかし彼はあまり笑顔を見せる事をしなかった。 誰かとはしゃぐ事もない。それどころか人と話す事も極端に少なかった。
彼はいつも一人でいた。 でも、不思議と寂しそうには見えない。 一人でいても、その彼には「孤独」とか「寂寥」とかいう言葉は似つかわしくなかった。 強いて言うなれば「孤高」だろうか。 だって彼はいつも凛としていたから。
思えば僕は、あの頃から彼に惹かれていたのかもしれない。
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