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ゼロレクイエムは成功した。
ブリタニア悪逆皇帝ルルーシュがゼロによって倒されたため、シャルル皇帝が広げた広大なブリタニアは小さな国に戻った。
ようやく戦争と支配に苦しんだ全世界は手を取り合って平和への道を歩み出した。
ゼロや黒の騎士団の活躍、シュナイゼル皇子らの元ブリタニアの皇族の奔走、各国家代表の尽力でそれは叶えられたかのようだった。
しかし、ゼロレクイエムから2世紀ほど経った頃…
戦争を知る人々はもう亡く、世界は平和というぬるま湯にどっぷり浸かり人々は鈍感になっていた。
そんな世界に、徐々にブリタニアは手口を変え、魔の手を広げていった。
それは完璧な階層社会を敷き、各国の上官にはブリタニア人が就けるようにする、というものだった。
完璧に組み立てられたプランによって世界に広がっいった階層社会。
その中でブリタニア人以外が高い役職に就くことは困難で、やがて世界はブリタニアの意思によって動かされるようになっていった。
完璧に統制された社会は、平和に円滑に動き人々は豊かになった…
ほとんどの人々がそう思い、ブリタニアの世界支配に甘んじていたが、
階層社会によるピラミッド型の最下層にあたる人々は貧困にあえぎながら社会に従属していた。
整えられた階層社会で最下層になってしまった人々は、たとえ能力が高くてもなかなかピラミッドをのぼることはできず、虐げられているしかなかった…
しかし、その難関をすり抜けてピラミッドを駆け上がる者も少数だが存在した。
数少ないその一人が、ルラン・ランペルージだった。
彼は小学校に上がる前に両親を亡くしていた。 歳の離れた妹を一人抱え、数々の試験、検査を合格して、ここ日本でトップクラスの高等学校、アッシュフォード学園に入学した。
最下層から這い上がったルラン。類いまれな事例だった。
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